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第98話 苦みのある男になりたい

最後の授業を終えたのに、未だに僕は机に突っ伏しております。掃除のジャマと八重子に言われても、動けずにいます。


結局早希ちゃんへ返事を出せないままで下校の時間を迎えてしまった。あっでも返事が出来なかったのは萌が睨みを利かせていたから、という理由なんかではなくただ単に勇気が出なかったからでございまして、ハイ。

何より件名のハートマークがものすっごい気になって気になって仕方がない。


「実は私、ずっと一条君のこと……」


ちょっ、だめだめぇぇぇ!妄想しすぎ!一郎よりもヒドイよ俺!


「太郎どした?腹でも減ってんのか?」


お前じゃないんだからそれはねぇっつーに。ってか何で俺が深刻そうな顔してるの見て腹減ってると思うんだよ。他にないの?何か悩みでもあるの、とかないわけ?


「弁当食ったクセに」


「だから腹減ってるわけじゃねぇって!」


その言い草はなんだ。俺の母ちゃんが作ってくれた弁当だ、食って何が悪い。しかもそこでどうしてウインクだよ。言葉と顔が全く合ってねぇんだよ!

ギャアギャアうるさい一郎とデコピン大会を開催しようとした時、右半分に殺気が走った。これは間違いなく萌の気配です。トゲを刺されたような感覚に陥るからすぐにわかる。


「な、なにかご用で?」


やっぱりこの子、早希ちゃんからの(ラヴ)メールを盗み見してたのか?じゃなきゃこんな据わった目で俺を見てこないだろう。

デコピンを喰らった痛みも忘れて薄目で萌の方へと体を向けると、少し困った顔の彼女がいました。………なんで困り顔?


「……野代と、帰る?」


「え?か、帰らない…けど」


なんだなんだ萌さん。まさかキミは野代君と帰りたいのか?それとも俺と帰りたいのかい?……自分で言って恥ずかしい。ってか疑問形で話をしてくれたの久しぶりだね。嬉しくって鼻水出る。


なんで?と質問しようとしたとき、ふと勇樹と目が合った。やっぱり萌のこと気になるんだろう。諦めるって口では言ってたけど、そう簡単には無理だよな。あっ今日一日、極力萌とは話さないようにって思ってたのに、帰りになって気が緩んじゃってたよ。


テヘッと誰にも悟られないよう可愛く舌を出そうとした瞬間、やっぱりメールを読んだとしか考えられない言葉が萌の口から発射された。


「どっか寄るわけ」


ドギャッ!


「よ、寄るってどこへ?」


「私に聞くな」


それは大変申し訳ない。でも俺だってまだ早希ちゃんに返事してないんだからどこに行くかなんて知らないの!……なんて言えねぇ。

動揺バレバレな俺をチラ見した萌は、少しイライラした面持ちで鞄を持ち上げたと思ったらとっとと歩き出してしまう。


そんな彼女の背中を見つめながら、やっぱり黙ってるなんて出来ないよねと考えました。

バカ正直な自分に嫌気が差すけど、その前に俺達は付き合ってるわけじゃないけど、言わないと後悔するような気がする。

まだ勇樹がこっちを見ていたけど、申し訳ないと思いながら萌を呼び止めた。


「ちょっと萌!話があるんだけど!」


「…話?」


ゆらりと振り返った萌は……恐ろしや。呼び止めただけなのにここまで恐ろしい妖気を放てるなんて、やっぱりお前はタダ者じゃねぇ。


「す、すぐ終わるから」


「…」


すぐ、という言葉に惹かれたのか、その場で腕組みをした彼女は俺を真っ直ぐに睨んで…見てきた。それは人の話を聞こうという態度じゃないってこと知ってる?それにこんな所で話せる内容ではないんですが。勇樹がいるんだから。


「なに」


「あいや、ここじゃなんだから……廊下で」


「……」


俺の不気味な笑顔が功を奏し、萌は一瞬だったが勇樹の方へ視線を移すと鞄を持ち直した。そして突然歩き出す。

行くよとか、早くとも言わないで勝手に1人で行ってしまうのですね。でも負けないよ、もう慣れっこだから。


「ちょっ……あっじゃあな一郎」


「お、おぉ?」


きっと一郎は俺と一緒に校門まで行こうと思っていてくれたんだろう。少し悲しい表情を見せながらも手を振ってくれた。悪い、今度の休みにはお前の家に行ってゲームするから。





「話って何」


教室から出た途端にそう言われてしまった。ちょっと歩いてからとか、そういう発想はないものかね。

周りに高瀬も晃もいないことを確認したが、それでも警戒心を解けない俺は小声で話し始める。


「あのさ、実は三井からメールが来たんだけど…」


「三井……あぁ早希?」


「うん、早……三井」


やべっ、思わず萌の前で早希ちゃんとか言いそうになった。萌ちゃんとかなら口走ったことあるから言っても……怒られるけど、早希ちゃんはもっとヤバイ気がする。


「なんか相談したいことがあるらしくて、会えないか聞かれたんですよ」


「相談?」


「はい」


「…」


意外そうな顔で俺を見た萌は小さな溜め息を漏らした。

何でお前などに相談?みたいな表情ヤメてよ。これでも小学生の頃は相談の神として崇められて…なかったんだから。


「勝手にすれば」


「え?いいの?」


「……私の許可がいるか」


いや、ないっちゃないんだけどさ。一応言っておかないと気持ち的にちょっとね。でも勝手にすればって、あまりにもじゃない?

チラリと萌の顔色をうかがっても別段気にしてるようには見えない。マジで勝手にしろって目だね。


「あ、それじゃあ行かせていただきます」


「……行くんだ」


おぃぃぃどっちだよ!あんたからかってんの?ビクビクする俺を見て楽しんでんの?


付き合ってないんだから別に行ったっていいじゃん……なんて言おうものなら握り締められた鞄が飛んでくる。その前にじゃあ何で行っていいか聞いたんだよって話になる。

……聞かなきゃ良かった。


「…」


「…」


一触即発の危機です。どちらか先に言葉を発した方が負ける!だけど黙ってもいられそうにない!口が勝手に開いて行くぅ!


「あれ?まだ帰ってなかったのか?」


一郎サンキュー!この場をブチ壊す勇気がなかっただけに嬉しい一言!

ヘビに睨まれたカエルの如く身動きがとれなかった俺は、一郎様のお声と共に息を吹き返した。


「え?あ、秋月?なんで俺を睨むんだよ?」


怒りの矛先がなぜか俺から一郎へと移動した。声を掛けられただけでこんな睨む人も珍しいよね。

戸惑う一郎に(何で俺が?)とアイコンタクトを送られたが、正直俺もわかりません。そんなに一郎の言い方が悪かったとも思えないし。だからウインクをしてあげました。


「なんだよなんだよ!俺を睨んだからって何も出ねぇぞ!」


涙が出てるよ一郎さん。


「俺……俺は悪くないぃぃぃ!」


「いでぇっ!」


走り去るのはいいけど、わざわざ俺をぶっ飛ばして行かなくてもいいだろが!よろめいて壁にヒジ打ちつけちゃったよ!


「あだだだ、一郎めがぁ…」


明日になったら覚えておきやがれ、同じ衝撃を喰らわせてやる!


「……」


「あっちょっと萌ぇ!」


俺が痛みに耐えている間ずっと冷めた視線を投げつけていた萌が、一郎の後に続くように歩き始めてしまった。サヨナラくらい言って!


「なに」


「あっと……」


冷たい寒い怖いよその視線!


「えっと、なんていうか」


「勝手に行けばいいじゃん」


……それで行っていいのねって聞くからマジで行くんだって答えが返ってくるんだよね。だからここは敢えて何も言わないで頷いて終わろう。


「…邪魔」


「いだぁっ!」


可愛い顔で可愛く頷いた途端にカカトで思いっ切り足を踏まれた。しかも足の指だけを狙ったとしか思えない。爪が割れたらどうしてくれる。


「いづづぅ…あっちょっ萌ぇ」


「…」


目尻の涙を拭うヒマすら与えてくれず、萌は颯爽と階段を下りていってしまった。


やっぱり萌は俺が誰と会おうが関係ないのかね。俺一人が早とちりだったみたい。いいや、萌もああ言ってることだし何も考えないで行ってしまおう。行ったが勝ち。





「あ、一条君!良かった!」


「……あえ、み、三井?」


萌はとっくに帰ったらしく、俺は一人で玄関を抜けて校門に出た。そして名前を呼ばれた。

ってか何でここにいる?『返事遅れてゴメン!今どこにいます?ソッコーで行くから場所教えて!』ってメールしてから何分経った?階段を下りながら送ったからまだ10分と経ってないハズだよね?


「ゴメンね、来ちゃった」


「来ちゃ…来ちゃったって…」


ちょっ反則だよその笑顔!

メールありがと!と笑顔継続の早希ちゃんは硬直している俺の真正面に立った。今にも「エヘヘ!」とかってハニカミ笑いを覗かせそう。


「もしかして、学校終わって速攻で来たワケ?」


「うん。一条君がオーケーしてくれたら来ようかなって思ってたんだけど、待ちきれなくて」


それはもしかして俺に会いたいという心からの切なる願いが足を勝手に動かしたと、そうおっしゃりたいのですか?!

早希ちゃんの無邪気な笑顔につられて笑ってしまいそうになった俺は、無意識に萌の姿を捜してしまう。

悪いことはしてない、だって萌は勝手にしろって言ったんだから。だからそんな挙動不審に陥らなくてもいいじゃんか。俺って小心者。


「そ、そうだ三井。話って何?」


憧れの少女を目の前に、微妙な心境でそう尋ねると、早希ちゃんは少し伏せ目がちにこう言った。


「うん、ちょっと……あっここじゃ何だから、どこか行かない?その方が落ち着いて話せると思うし」


でででででデートのお誘いと受け取っていいんですかーーー!?………俺のバカ!早希ちゃんはそんな気持ちで俺を誘ったんじゃないでしょ!立ち話もアレだからって事だよ!この先走り早とちり大王が!


落ち着いて話したいということは、誰にも邪魔されたくないってことだよね。そう考えると、ハンバーガー屋はダメだ。ここら辺で落ち着ける場所…………。


「ぎゅ、牛丼屋…」


「牛丼?」


バカ!早希ちゃんが丼にかぶりつけるわけねぇだろが!やっぱり丼モノってのはこう、ガツガツ食ってナンボみたいな?……知らねぇよ!それにかぶりついたりしてたら落ち着いて話も出来やしねぇ!ってか落ち着ける場所ってドコ?俺の家?………来ないから!


「あいや、牛丼じゃなくて……」


「じゃあ、喫茶店とかはどう?」


喫茶店……その言葉が出て来なかった俺を許してください。そして豚丼屋って言おうとした俺に天罰を与えてください。


「い、いいねいいね!喫茶店イコール、カフェだね?!行こうカフェカフェ!」


なぜか「カフェ」という単語がいたく気に入ってしまい、連呼してしまう。しかし早希ちゃんはそんな俺を見て怒り出すワケもなく、笑顔で「じゃあ決まり!」と歩き始める。

萌だったらすかさず「連呼するな」とかって殴ってきそうだけど、やはり違うな。ってか比べる時点で間違ってんじゃないの?





「そういえば、今日は秋月さんと一緒じゃなかったんだね?」


近くのオシャレそうな喫茶店カフェに入り、窓際はマズイと思ったので外からは見えないような席に座った俺は、甘いシャンプーの香りを漂わせた早希ちゃんにそう尋ねられた。そして「たしか中学の時も一緒に登下校してたよね」と、昔のことを蒸し返してくれる。

萌とはもう一緒に下校はしないんだよって言ってもいいけど、絶対に「どうして?」って上目遣いされるに決まってる。


「あ〜萌は……うん、先に帰ったんだよね」


「そうなんだ?」


「うん…」


それから何を言われるか待ってみたものの、だからどうとでもなく早希ちゃんは「あっそういえば、高瀬さんと友達になったんだ」と、話をうまく変えていってくれた。天使に感謝です。

そんないつも通りの早希ちゃんを対面に、なぜ俺に会いに来てくれたんだろう、そんでもって相談って一体?と、疑問が頭を駆け巡ってパンク寸前に追い込まれた。

ダメだ、どれだけ考えても答えなんて出ない。ここは場に任せるっきゃないか。


「一条君?」


うっわ〜マジで可愛い……。そのフワフワな髪、いくら不可抗力とはいえこの前抱きつかれた時触っちゃったけどやっぱフワフワだったなぁ。ありゃりゃ、店内だから風も吹いてないのになぜかなびいてるよ。すげぇ、勝手になびくってすげぇ。

そういえば俺、まだ萌の髪すら触らせてもらってないんだった。いや、別に触りたいワケじゃないんだよ。ただ……って、誰に言い訳してる?


「い・ち・じょ・う・君!」


「わっ!あ…ハイ?」


やべぇやべぇ、早希ちゃんをガン見しながらも変なことを考えちゃってた。って身を乗り出して来ないで!いい匂いが来るから!頭がクラクラしちゃうから!


「聞いてる?」


「え?あ、聞いてる聞いてる。え〜と、高瀬とタッグ組んだんでしょ?」


「えぇ?…もう、違うよ。何飲む?って言ったの」


「え?」


ありゃ、いつの間にかウエイトレスさんが来ていたようですな。ってかそのちょっとホッペタを膨らまして怒るって、どれだけ俺の心を乱せば気が済むんですか。


「あぁそーだなぁ…」


何飲むったって、コーヒーは無難過ぎるよな。でも、じゃあ何を頼めばいいかわからない。オレンジジュースだと子どもっぽいか。


「ぶ、ブラックコーヒー…」


ここはやっぱり男らしくブラックだね。……でも苦いの苦手なんだよ俺。カッコつけんな!


「あっ私もブラックで」


早希ちゃん大人だね!


「かしこまりました」


ニッコリ微笑んだウエイトレスさんはペコッと頭を下げると、しゃなりしゃなり去って行った。


しかしそれにしても落ち着かない。早希ちゃんが満面の笑みで俺を見つめてるのも気になるし、それになによりコーヒー一杯いくらするか怖い。テレビで見たのだと500円前後だし、調子こいてカフェいいねなんて言わなきゃ良かった!


早希ちゃんは余裕ぶっこいてるからきっとコーヒー代は持っているんだろうな。彼女の家は金持ちなのか?

そんなアホなことを考えながら財布の中身を一生懸命に思い出していると、笑顔のウエイトレスさんがブラックコーヒーを持って来てくれた。

……これは、味わって飲まないと勿体ないよね。


「話っていうのはね。この前、宮田君に会ったって言ったでしょ?」


宮田って誰?あ、あぁ晃のことか。

あぢぃっ!コーヒー熱い!まだ一口も飲めてないのに下唇ヤケドした!


「だ、大丈夫?」


「大丈夫大丈夫……晃がどうかした?」


心配してくれるなんて、やはり早希ちゃんは天使だ。背中に羽が生えていないか確かめてみたい……べ、別にやましい気持ちなんてこれっぽっちもないんだから!


「うん、久しぶりに宮田君と話して思ったんだけど、まだ彼って秋月さんのこと好きなんだよね?」


「あづづ…そうみたいだねぇ。萌ちょわぁぁんとか言ってるし」


ここで晃の名前が出てくるとは予想外だったな。まぁ中学の頃から萌ラブな晃だったから早希ちゃんが知ってても不思議はないけど。


「やっぱりそうなんだ。一条君と付き合ってるのに、まだ諦められないんだね」


「つ、付き合ってない付き合ってない!」


「え?だって中学の時から一緒に帰ってたでしょ?」


「一緒に帰ってたからって付き合ってるワケじゃないよ」


……付き合ってはいないけど、告白は致しました〜なんて言えるワケねぇ。きっと萌はこのこと誰にも言ってないと思うし、ペラペラ言うのも気が引ける。だからって「別にどうとも…」なんて言葉も言えそうにない。


「そうなんだ?…秋月さんは一条君のこと好きなのかな?」


ちょっと、そこで上目遣いは勘弁してください。動揺しすぎてどうしていいか混乱しちゃうから。

うぅん、萌の口から「お前が好きじゃあ!」って聞いてないからおかしな発言は控えないとな。まったく、返答に困る質問をしてくれるね。


「……実はね、この前久しぶりに一条君に会って、少しだったけど話をして。すごく楽しかったんだ」


「……?」


「ほら、中学の時は秋月さんがいつも隣りにいたし、あまり話したことなかったでしょ?2人きりで帰ったのだって1回くらいだったし。あっその時、秋月さんと一条君お似合いだねなんて言っちゃったの覚えてる?」


「えぇ?あ、あぁ……」


あんな小さな一コマを覚えてくれていたのですかぁ?!ヤベッ嬉しすぎて鼻血出る!しかもホッペがほんのり赤い!クソッ、いつ見てもやっぱり早希ちゃんサイコーだよ!


(萌に告白した分際で何を言ってんだよ)


やぁ悪魔、いきなりすごいことを言ってくれるね。萌に告白したことを忘れたワケじゃないよ。ただ早希ちゃんがサイコーだって思っちゃっただけ。


(この浮気者め!この場を萌に見られて修羅場になればいいさ!)


浮気じゃない!萌とは付き合ってないし、行って来ればって承諾も頂いたもんね!だから別に萌に見られてもマズイことなんてない!変なコト言わないの!


(承諾をもらおうとしてる時点で浮気なんだよ!付き合ってないしぃ、とかバカ言ってるなら勝手に会いに行けばいいのさ!そしてバレて修羅場になればいいさ!)


どっちにしろ修羅場にしたいだけだろお前!


しっしっと悪魔天使を追い払っていると、ふと目を伏せていた早希ちゃんが何かを決意したように顔を上げる。真っ直ぐ見られるなんて、しかもガン見されるなんて。


「三井、何かあったの?」


どう見ても何かあったようにしか思えない。心なしか元気がなさそうだし、さっきまでの余裕ある表情はいつの間にかサヨナラしてる。

まだまだ冷める気配のないコーヒーを飲みながら、早希ちゃんの言葉を待ってみる。俺をガン見してくれるのは嬉しい事この上ないんだけど、何か言ってくれないとどうしいいかわからないです。


「……ううん、何もないよ」


「そう?」


っかしいなぁ、何もないようには見えないんだけど。にしてはまだ微妙な顔してるね。俺には言っても意味がないとか思ってるのかしら?でも話があるって言ってきたのは彼女本人だからな。


「一条君、秋月さんとは付き合ってないんだよね?」


「え?あ、うん」


「…」


ちょいちょい、そこで無言はストップですよ。ちょっとコーヒー飲んで落ち着きましょうよ。僕なんて見てください、猫舌なのにコーヒー全て飲み干してしまいましたよ。落ち着いてない証拠ですよ。


「突然だけど……私、立候補してもいいかな」


「え?」


立候補………って何に?









更新がヒドイほどに遅れてしまいました。申し訳ございません。

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