流行り
PPAPが子供の学校でも流行っていたころの話です。
3.流行り
「ただいま」と中学校から帰宅したお兄ちゃんが居間に入ってくるのと同時に、待ち切れないようにミツコが話しかける。
「お兄ちゃんPPAPって知ってる? 今学校で流行っているんだよ。」
「さっきから何回も真似をしていたんだよ。
テレビでは見たことないのだけど、子供はすぐに覚えるからね。
はい、お茶ね。おやつは林檎でいいかい。」
お兄ちゃんは「ありがとうお祖母ちゃん。
テレビでなくてネットで流行っているだよ。
林檎よりも蜜柑がいいな。」と言いながら台所に入っていく。
「えー、お祖母ちゃん。リンゴを切っちゃいやだー。
お父さんとお母さんにもやってみせるのー。」
「大丈夫だよミツコ、お兄ちゃんは蜜柑がいいって。
ミツコも蜜柑食べるでしょ。
あら、お兄ちゃん。缶ジュースなんて持ってきてどうするの。」
お兄ちゃんは居間のテーブルに缶ジュースと蜜柑を置きながら、ミツコに向かって
「ミツコ、PPAPってこんなのだよね。」
「ディス イズ ア ミカン。ディス イズ ア アルミ缶。」と言いながら缶の上に蜜柑を置く。
「アルミカン ノ ウエニ アルミカン(アルミ缶の上に在る蜜柑)」
「お兄ちゃん、Pが全くないよ。」
時事ネタは趣味ではないのですが、これは流行が終わっても
少し説明を加えれば大丈夫なようなので、投稿します。
1話,2話と違って、このミツコはすでに簡単な英語は分かる小学生です。