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契約

「私の国…?って?ここお前の国なのか?」


「さっき言ったじゃん!?私は神様だって

この世界じゃ国ごとに神がいてね、基本的に神がその国のトップな訳よ!ここは私が治める国、天狐連邦だよ」


―――こいつからはまるで威厳を感じない…


白狐は誇らしそうに語りながら、俺を地面へと降ろした。目の前には羅生門のような大きな門のようなものがあり、そこに武士のような格好をした若い男が2人立っていた。先程から門を行き交う姿を見てきたが、こちらの世界は思ったよりも人間が多いのだ。白狐も狐耳や尻尾は生えているものの、体の大部分は人間となんら変わらない。おそらく純人間もいれば、人に擬態している妖怪もいるのであろう。


「白狐様、お疲れ様です」

「ど~も~」

「時に白狐様、そちらの少年はどなたでございましょう?妖力も全く感じられませんし、まさか…」


門兵は少しばかり俺を疑うような視線で俺の方を見ている。妖力、、、おそらくこの世界出身では無い俺には妖力というものが存在しないのだろう。やはり外から来たものには皆あんな視線を向けるのか?


「あー、んーっとね、この子は…」


こいつ、ここに来るまでに俺の出自や身分を考えていなかったのか?この狐がトップに立つ国…これからが心配でならない。


「あ!そうそう!私の契約相手!

てことで!通るね~」


―――?? 契約ってなんの契約だ?まさか、小学生にさっき助けた分働けとか言うつもりなのか…?


「びゃ、白狐様!少々お待ちを!!」


白狐はまた俺を抱えると飛んだ。

門兵は必死に叫んでいたが、白狐はまるで言う事を聞かない。日頃、親に理不尽にキレられても反抗出来なかった俺からすると、最高権力者というのは自由で羨ましい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この国には異様に目立つ大きな大きな宮殿のような建物が存在したのだが、白狐は門からひとっ飛びでその大きな宮殿の屋根上まで来た。白狐の位から察するに、ここがこいつの家であろう。

白狐は俺を降ろすと屋根に足をかけて座る。俺も同じようにした。


「なぁ、契約って何の話だよ」


「そう、陽菜。私と契約しようよ

契約ってのはね、妖怪が一生に一度だけ出来るもので、契約相手はその妖怪の眷属?みたいな感じになるの」


「俺に、お前の眷属になれって言いたいのか?

やだよそんなの。お前の下についたら何があるかしれたもんじゃなさそうだ」


「ちがう、ちがうよ。私は別にお前を自分の配下にしようだなんて考えてないよ。契約後も対等な関係でさ?」


白狐は少し困ったような、焦ったような顔でそう言った


「そうなのか?でもその一生に一度しか出来ない契約。俺とお前に何のメリットがあってそんな事を急に」


「メリットならいっぱいだよ。まず、契約相手はその契約した妖怪の妖力の10分の1程に相当する妖力が与えられるの」


「10分の1って…ほぼ無いようなもんじゃ?」


「だから私は神様だって!そこら辺の奴らと同じにしないでよね。私の妖力量の10分の1っていったら大妖レベルはあるよ!」


「大……、なんて?」


「だ い よ う!

各妖怪の強さを表す階級だよ。1番下から下妖、小妖、中妖、上妖、大妖、天妖、魔妖、神妖って感じ

下妖なんかは妖力の無い成人男性でも飛び道具さえあれば、なんとか勝てちゃうくらい弱いし、小妖からは一気にレベルが上がって、妖力無しの一般人じゃ完全武装してても苦戦かな」


妖怪には強さを表す8つの階級があり、白狐と契約した俺は大妖に相当する力を手に入れることが出来るらしい。小妖で完全武装の一般人が苦戦を強いられるってことは、大妖ってかなり強いのでは??

いや、そんなことよりだ。


「それで、俺が無条件でそんな莫大な力を得ることにお前は何のメリットがあるんだよ」


そう。今した話を簡潔にまとめるとこうなる。

そしてこの話は小学生の俺でも分かるくらいには、詐欺じみた胡散臭い話である。何か裏があるとしか思えない。


「私側のメリットは―――陽菜とずっと一緒にいれること!」


「どういう…?」


意味が分からなかった。出会って1日も経たない俺になんの思い入れがあってそこまでしてくれるのか?


「思い出させるのもあれだけどさ、君、家族亡くしちゃったでしょ?これからは私が君の支えに、家族代わりになりたいんだよ」


言う人によっては ふざけるな となる話であるが、俺の心にはその言葉が深く響いてしまった。


「手、出して??」


俺は左手で涙を擦り、右手を白狐の方に伸ばした。

すると白狐は俺の手を両手で握りしめた。


「我が名は白狐

汝の願いを聞き受け、ここに契りを結ばん。

今日より、我らは共に生きる。

この契約、今ここに成立する。」


白狐が真面目な顔でそう言った瞬間、陽菜の体が光、全身から赤色の煙のようなものが溢れ出てくる。


―――ブォォォ


「え、なんだよこれ!?」


「それが妖力だよ妖力。抑えて」


どうやら、この赤い煙のようなものが妖力らしい。体からオーラのようなものが溢れ出る。皆一度は憧れたことがあるであろう。白狐は簡単に抑えろと言ったが…


「抑えるってどうすれば…」


「イメージだよイメージ。体の妖力を抑えるイメージをして」


なんだよ体の妖力を抑えるイメージって…

俺は戸惑いつつも、自分なりに想像してやってみた。

目を瞑り、深く息を吸い、体から出る妖力を内側に押し込むように…


「!!」


「ほら?できたでしょ?」


「改めて、これから宜しくね、陽菜」


白狐はフッと笑いながらそう言った

自分で見返してて短すぎることに気付きました

次回からは文量をもっと、増やそうと思います…

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