葉っぱの正体
孤児院に料理のいい匂いが漂ってきた
ハルキ(凄くいい匂い…)
嗅いだことの無いいい匂いに呆けてしまう
ヴィー「ハルキ!食事の用意が出来たわよ!」
ハッと目を覚ますハルキ
ヴィー「早くこっちに来なさい!」
ハルキ「うん!」
ヴィーの元へ急ぐ
ハルキの目の前には見慣れた食材を使った料理が用意してあった
ヴィー「さぁ座って」
促されるまま椅子に座らされるハルキ
ダン「今宵も神の恵みに感謝致します」
皆手を組んで目を閉じている
ハルキも真似をしてみた
ヴィー「さぁ皆食べましょう!」
一斉に食事を始める子供達
ハルキは初めて見る料理を一口食べてみた
ハルキ「あぁ…何だこれ…」
ハルキの手が止まった
ヴィー「贅沢言わないの!これでもここでは上等な食事なんだから!」
ハルキ「凄くおいしい…」
涙を浮かべるハルキ
ヴィー「えっ?」
ヴィーは自分で上等な食事と言っておきながら驚いてしまった
ヴィー「人参と白菜を塩茹でしただけなのよ?」
ハルキ「根っこと葉っぱだよね?」
ヴィー「違うわよ!いや違わないけど…」
ハルキの言ってる事は間違ってはいない
ヴィー「あなた人参と白菜の名前も知らないの?」
ハルキ「お母さんが根っこと葉っぱって言ってた」
ヴィー「そんな呼び方する人なんて聞いた事も無いわ」
不思議に思ったヴィーだがもうひとつ疑問が頭に浮かんだ
ヴィー「呼び方が違っても人参と白菜を知ってるなら塩茹でくらい食べた事あるでしょ?」
ハルキ「こん…モグ…なのモグ…は初めて…モグモグ…食べた」
喋りながらあっという間に平らげたハルキ
とても満足そうな顔をしている
ヴィー(初めて…?塩茹でがおいしいって言うし、何かおかしいわ)
ヴィー「あなた…人参と白菜をいつもどうやって食べてたの?」
ハルキ「そのまま食べてたよ」
ヴィー「サラダ?」
ハルキ「サラダ?」
聞き返すハルキ
ヴィー「サラダって知ってる?」
ハルキ「知らない」
ショックで固まるヴィー
ダン「他の食べ物は食べたことあるかい?」
ヴィーとハルキの会話を聞いていたダンが話しかける
ハルキ「白い根っこと緑の葉っぱに色んな色の豆とか…それと…」
食べ物の話に夢中になるハルキ
ダン「全部そのまま?」
ハルキ「そのまま」
ダンは頭を抱える
ダン(この子は料理を食べた事が無いんだ…)




