出会い
ハルキは木の家の前に立っていた
寒さで手も足も顔も真っ赤になっている
ハルキ「沢山声が聞こえるけど、どうしよう…」
母以外の人に会ったことが無いハルキは立ち尽くしていた
《ガチャッ》
《ドン!》
突然開かれたドアに弾き飛ばされたハルキは気を失った
ハルキ「う…ん…」
女の子「大丈夫?」
木のベッドの上で目を覚ましたハルキの目の前に赤い髪の小さな女の子の顔があった
ハルキ「わっ!」
女の子「失礼ね、こんなに可愛い女の子に悲鳴をあげるなんて」
女の子はムスッとした顔でこちらを見ている
ハルキ「ここはどこ?」
女の子「ここは孤児院よ」
よく見ると女の子の他にも沢山の子供がいる
女の子「私はヴィー、あなたは?」
ハルキ「僕はハルキ」
ヴィー「変わった名前ね…、まぁ良いわどこから来たの?」
ハルキ「分からない」
ヴィー「はぁ?」
目が覚めたら外にいたハルキに分かる筈もない
ヴィー「変わってる服だけどボロボロだし、もしかして捨てられたの?」
ハルキ「どういう事?」
捨てられたという意味が理解できないハルキ
ヴィー「まぁそうよね、私たちも最初はよく分からなかったもの」
周りの子供達は警戒しているのか遠巻きにハルキの観察を続けていた
ヴィー「お父さんとお母さんの名前分かる?」
ハルキ「分からない」
ヴィー「何で分からないのよ!」
ヴィーは10才の自分と同じ歳くらいに見えるハルキが親の名前も分からない筈が無いと思った
ハルキ「お父さんは見たこと無いし、お母さんはお母さんだから」
予想していなかった答えにヴィーは首を傾げる
ヴィー「ちょっと大人を呼んでくるわ」
ヴィーは走って外に出ていった
《ガチャ》
暫くするとヴィーと一緒に筋肉質で髭もじゃの男性が入ってきた
男性「やぁ、起きたのかい」
男性「あぁ自己紹介がまだだったね、私はこの孤児院の管理をしている神父のダンっていうんだ」
ヴィー「この子はハルキっていうのよ」
ダン「ハルキか聞きなれない名前だけどどこから来たのか分からないんだって?」
ハルキ「うん」
ダン「お父さんとお母さんの名前も分からないんだよね?」
ハルキ「うん」
ダン「うーん困ったな…」
暫く考え込むダン
ダンはハルキを見て満足な食事もまともな服も与えられていないように感じていた
ダン(この子達と同じように捨てられたのか…しかしどこから来たのかも親の名前も分からないとはどういう事だ?)
ダン「取り敢えず明日騎士団に掛け合ってみるよ、今日は食事をしてから寝ようか?」
ハルキ「食べ物食べられるの?」
ダン「あぁ、少しだけどね…」
ハルキ「やった!」
少しでも食べられるならとハルキは喜んだ
昨日の葉っぱを半分残していた事を忘れられなかったからだ
ヴィー「取り敢えず食事の用意をするから皆手伝って」
周囲の子供達「はーい!」
ハルキ「僕も何か手伝うよ」
ヴィー「あなたは目が覚めたばかりなんだからじっとしていなさい!」




