2人の軌跡ep.6 「春を告げる声」
高校生活の最後の日、風が街のビルの隙間を通り抜けていた。
坂上光太郎の制服の胸には、卒業証書のリボンがついている。手には、こうたの通う高校の前で買った花束。指先が少しだけ震えていた。
三年間、違う学校。だけど、週末の図書館、季節ごとの展覧会、定期テスト後の長電話――ふたりの時間はいつも、自然にそこにあった。
でも、光太郎はずっと思っていた。「言葉にしないまま、思い出だけで終わるんじゃないか」と。
──今日は、それを変える日だ。
こうたの高校の門が開き、卒業式を終えた生徒たちが次々と出てくる。光太郎は少し離れた歩道で、肩越しにその流れを見ていた。
そして、ひときわ見慣れた背格好が、制服の袖を揺らしながらこちらへ向かってくる。
「……光太郎?」
こうたは驚いた顔で立ち止まる。光太郎は深く息を吸って、笑ってみせた。
「卒業、おめでとう。」
「ありがとう……でも、どうしてここに?」
光太郎は手にしていた花束を差し出す。
「今日、言いに来た。ずっと言えなかったこと。」
こうたは、ゆっくりとその花を受け取りながら、目を見開いた。
「こうた。君と過ごした時間は、全部、俺の支えだった。声を聞くだけで、気持ちが落ち着いた。姿が見えるだけで、明日も頑張ろうって思えた。」
光太郎は、少し視線を落とし、それでもしっかりと続けた。
「だから、ちゃんと伝えたい。俺……君のことが、好きです。」
駅前の交差点は信号の音が響き、人々の足音にかき消されそうだった。でも、こうたの静かな声は、確かにそこにあった。
「……俺も。ずっと前から、同じ気持ちだった。」
光太郎は思わず、顔を上げた。
「え?」
「言うタイミングがなかったんじゃなくて……言う勇気がなかったんだ。光太郎が、ちゃんと伝えてくれて嬉しい。」
春の風が、ふたりの間を優しく吹き抜ける。
こうたは、小さく笑った。
「この花、卒業祝いってことにしとくよ。でも――きっと、これは始まりの花だよね。」
光太郎は頷いた。
「うん。これからは、もう“違う高校”とか関係ない。どこにいても、俺たちは、ちゃんと繋がってる。」
歩道の端、青信号が点滅を始めた。
ふたりはゆっくりと並んで歩き出す。未来へ向かう、最初の一歩。
その手の距離が、少しずつ近づいていた。
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