2人の軌跡ep.3 「春の階段で」
卒業式の朝。坂上光太郎は、制服のボタンをひとつ留め忘れたまま、校門の前に立っていた。
校舎の上には、薄い春雲が流れていた。どこか落ち着かない気持ちで靴を履き替えようとしたとき、隣にすっと立つ影があった。
「光太郎、ボタン、ひとつ足りないよ。」
「あ、ほんとだ。」
笑いながらそう言ったのは、もちろん、こうた。今では誰よりも自然に、光太郎のそばにいる存在だ。
あの日、名前を知ってから何かが確かに変わった。放課後の時間は少しだけ長くなり、会話の数も増え、時折手紙のようなメッセージをノートに挟むようにもなった。
恋とか友情とか、名前はつけられなかったけれど、たしかなものがふたりの間にはあった。
卒業式は、思っていたよりもあっけなかった。校歌、答辞、拍手。思い出の詰まった教室も、終わりを迎えるには静かすぎた。
式のあと、校舎の裏手の階段にこうたを見つけた。花びらがちらちらと風に舞っている。
「ねえ、光太郎。これからも一緒にいられると思う?」
問いかけるような声だった。それは、すこし不安を抱えた声でもあった。
光太郎は一瞬だけ空を見上げて、そしてこう答えた。
「思う、じゃなくて、そうする。俺は決めた。」
それは、決意というにはまだ青くて、けれど14歳の心から絞り出された、正直な答えだった。
こうたは、少し目を丸くして、それから、いつものように笑った。
「うん。わかった。じゃあ、また一緒に物語を作っていこう。」
「うん、これからもずっと。」
二人は並んで階段を降りた。制服のまま、少し背筋を伸ばして。
春の光が、優しくふたりを照らしていた。
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