2人の軌跡ep.2 「夕方の図書室で」
夏休みを目前にしたある日、坂上光太郎は、放課後の図書室にいた。
静かなその空間には、扇風機の音と紙をめくる音だけが漂っている。いつの間にか「ふたりの席」となった窓際のテーブルには、いつものように二人分の椅子が並んでいた。
「遅いな……」
鞄から取り出した文庫本を開いては閉じ、また開く。落ち着かない時間の中で、ふと背後から気配がした。
「ごめん、遅れた。」
その声に、光太郎はほっとして振り向いた。相手は汗を少しかきながら、でもどこか楽しげな顔をしていた。
「今日、先生に呼び止められてさ。帰るって言えなかった。」
「別にいいよ。こっちも、まだ読み始めてなかったし。」
二人は向かい合って座った。テーブルの上には光太郎が持ってきた分厚い小説。前に貸したシリーズの続きだ。
「タイトル、難しいね。」
「でも中身は読みやすいよ。意外とユーモアあるし。」
「じゃあ、読む。」
そう言ってページをめくる相手のまなざしは、いつ見ても美しい、と光太郎は思った。
沈黙が心地よかった。本の中の時間と、二人の間の時間がゆっくりと溶け合っていく。
どれくらい経っただろう。図書室の外は、もう夕暮れを過ぎていた。
光太郎はふと思い立ち、ノートの切れ端を取り出した。そこに走り書きで言葉を書く。
《ねえ、名前ってどう書くの? いつも気になってた。》
相手はそれを読み、ちょっと驚いたような顔をしたあと、にやりと笑った。そしてペンを取り、さらさらと漢字を記す。
《幸田 光多》
「こうた、って言うんだ。……なんか、親近感ある。」
「そう? 『こうたろう』と『こうた』だもんね。」
二人は顔を見合わせて笑った。図書室の灯りが、そっと二人を包んでいた。
「じゃあ、こうた。」
名前を呼んでみる。なんだか照れくさくて、でも言ってみたかった。
「ん?」
「この先もずっと、本の話をしていたい。」
「それはつまり、“ずっと一緒にいたい”ってこと?」
光太郎は、少し黙ったあと、まっすぐにうなずいた。
「うん。」
こうたは何も言わず、本を閉じた。そしてその手が、そっと光太郎のノートの端に触れる。
「じゃあ、そうしよう。」
窓の外では、夕立のあとの風が木々を揺らしていた。
静かな図書室のなかで、ふたりの未来が、またひとつめくられた。
基本的に生成aiを使用してます。
イラスト、政治関連、田所沢、下北沢、アイスティー関連の話は人間が細かく指示を出しています。
政治関連の話は人間が書いた部分もあります。
他作品からの引用や模倣がないことを確認して、完全オリジナルで作成を指示しましたが、万が一著作権上の問題が疑われる場合はご一報ください。現状小説家になろうの利用規約に生成aiに関する規制はありませんが規約変更などによりこの作品が規約に違反していることが疑われる場合もご一報をお願いします。




