同棲 「一つ屋根の下で」
引っ越しは、三月の終わりだった。
「これ、どこ置く? いや、やっぱあっち?」
「その“やっぱ”が一番困るんだよ。」
段ボールに囲まれたワンルーム。六畳よりちょっと広いくらいの部屋に、ふたりの生活が詰め込まれていく。
社会人一年目。勤務地は別々だけど、終電に追われるより、一緒に朝を迎えられる方がいい。ふたりで選んだ妥協のない選択だった。
「この机、君が前に使ってたやつ?」
「うん。天板、少し削れてるけど、まだ使える。」
「こういうの、なんかいいな。ひとつひとつ、思い出がついてくる感じ。」
午後の光がカーテン越しに差し込んで、段ボールの影を柔らかく伸ばす。
光太郎は、その中から小さな写真立てを取り出した。
「これ、持ってきてたんだ。」
写真には、高校の卒業式の日、ふたりで撮った一枚。少し照れて笑っている自分と、眩しそうな表情のこうたが写っていた。
「懐かしいな。あのとき、まさか一緒に暮らす日が来るなんて思ってなかったよな。」
「思ってなかった。でも、ちょっとだけ、期待してたかも。」
会話は途切れながらも、あたたかさだけは途切れない。
冷蔵庫の中身はまだスカスカで、カーテンは仮の布を洗濯ばさみで留めている。それでも、光太郎にはもう“ここ”が帰る場所に思えた。
夜になって、スーパーで買ったお惣菜を並べて、床に座ってふたりで食事をした。
「ねえ、これから毎日、こんな感じかな?」
「うん。たぶんこんな感じで、ちょっとずつ慣れていって、喧嘩もして、笑って、ごはん作って、寝坊して、また笑って――」
「……悪くないな。」
こうたのその一言に、光太郎は静かに笑った。
テレビの音も、時計の秒針も、部屋の中ではすこしだけ響く。けれど、それも心地いい。
“好き”を言葉にすることは減ってきた。でも、あいさつの代わりに淹れるコーヒーとか、夜遅くまで待っている灯りとか――そういうもので、今は十分伝わる。
春の夜、まだ冷たい風が窓の外を抜けていく。
けれど、ひとつ屋根の下にいるこの日々が、ふたりにとっての、いちばんのあたたかさだった。
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