終わりなき戦い
この戦いは三十万年も続いている
この先にまだ百年は続くのだろう
蠅は木の実を食べ草べを喰う
満たされずに肉に喰らいつく
燕は空と海を駆け地に降りる
切れた尾羽根は迷いを消す旗
蝿は群れをなして正しいと喚く
小さな声など羽音で消せと嘯く
燕は一羽で旅をして愛を探す
故郷と憧憬の巣を寝蔵にする
旨味を知った獣は屍人族の膚をまとい
肉に飽き足らず知の骨に飢えて彷徨う
天の廻りを知る翔天使は笑い
嘴で苦悩がもたらす幸を歌う
この戦いは三十万年も続いてきた
あと百年、いや――またその先で
蝿どもが宝石を食い尽くすまで
燕たちが肉塊を貴石に還すまで
勝者も敗者もないまま続くのだろう
月が沈み、陽が昇り、辺りが明らんでゆく