◆花嫁の叫び!◆(2)
ご招待の方々……。
どう考えても、両家の招待客の比率が合わないので、両家合わせて350名ほどのご招待に押さえました。
強引に押えさせました!!!
これだけは、さすがの彼も多少、渋っていましたが、彼のご両親にも相談の上、仕方ないことと譲ってくれたようです。
それでも……?!
招待状の数は、ご夫婦を1通としても、、概算250通の招待状を出すことになる。
たぶん……と言わずとも、私が用意する羽目になることは判っている。
何に対しても「いいよ」と言ってくれる彼ではあるけれど、「任せるよ」という言葉が多い彼が、披露宴にそれほど興味を持っているとも思えず、こういう準備も、絶対と言い切れるほど、私に任せるであろうことは、容易に想像がついていた。
何でも一緒に仲睦まじく寄り添って決めている他のカップルを見ると、多少、淋しさみたいなものは感じていたけれど、これから待っている豪華挙式&披露宴のことを考えると、そう感傷的にもなってはいられない状況でもあった。
ということで、マリッジブルーにはならずに済みそうだった。
「ご招待状はどうなさいますか?」
ホテルのブライダルサロン内にある、豪華な相談室のテーブルに向い合せになって座って、ニッコリ微笑んだ、担当の藤田さん。
「え?」
あれ?ホテルで用意してくれるんじゃないの?
「最近は、手作りウェディングが流行っていますので、どうなさるかなと」
「あ、そういうこと……」
と、納得している場合ではない!
とんでもない!
そうでなくても、他に大変なことがありそうなのに。
「いえ、ホテルのでお願いします!」
彼に相談する余裕もなく即答。
「宛名はいかがされます?お嬢様がお書きになられます?」
またまたニッコリ藤田さん。
冗談でしょ。
「ホテル様でご用意をお願いさせていただけましたら幸いに存じます!」
またも即答。
しかも、何故か、かなり丁寧な言葉で即答。
変な丁寧語だったけれど。
「ご料金かかりますが……」
「構いません!」
当然、これも即答!
「通常、印刷の方が多いのですが、オプションで手書きというのも……」
藤田さんの説明が終わらないうちに、「手書きのオプションで!」と答えていた私がいた。
彼側のご招待の方々の層を考えると、“毛筆手書き”の招待状の表面が一瞬にして目に浮かんだ次第。
料金割増しについては聞かなくても判っていたので、敢えて聞くこともなく、藤田さんも、先ほどからの私の即答ぶりを見てか、追加料金のことは詳しくは説明して来なかった。
「こちらにご料金が」といって、パンフレットのようなものを見せてくれただけであった。
「では、手配などがございますので、ご招待の方が決まり次第、リストを送ってくださいね。パソコン添付で構いませんので」
「い、いつまでに……ですか?」
「遅くても、来月下旬くらいにはお願いしたいと」
相変わらず、ニッコリ藤田さん。
結局、全員のリストアップはすることになるのね……当然か。
ホテルへ送るリストは、ナントカというパソコン機能を使って、きれいなフォーマットで彼に送ってもらうことにしよう!
パソコンは不得意なワタクシ。
こんなところで、つまずいてはいられない現実。
とはいえ、招待状のリストアップがこれまた……。
席次表にも使うからと、それぞれの肩書きも書かなくてはならないらしい。
まぁ、これだけは彼の協力がないと出来ない作業なので、少し安心。
なんといっても、彼の方のご招待客様の方がはるかに多いのだから。
そんなこんなで、昨今、流行っているという“手作り”とは程遠く、披露宴に関係するペーパーアイテムは、全て、ホテルのもので準備することにしてしまったのでした。
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※披露宴に関係するペーパーアイテム:招待状、席次表、お食事のメニューなどです。