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◆これぞ、御曹司 ◆(3)


あ~!びっくりした!


どこのホテルでも、彼、VIPなんですよ。


“扱い”ではなく、正真証明のVIP。


ほとんどのホテルで、ほとんどの場所で顔パス状態!


これも、知らなかった彼の一面を見ることとなってしまった。



「そういえば、いつも予約なしでもOKだったな……」



デートの時、いきなり決めたホテルのレストランでも、いつも一番綺麗に夜景が見える窓際だったし、クリスマス・イブの時も、彼の出張が取り消しになって二人で過ごせることになった時も、予約なしでスウィートが取れた。


もともと御曹司様だから、ホテルのスウィートと聞いても不思議はなかったけれど、クリスマス・イヴに突然……というのは、これは信じ難かった。


「初めてのお泊まりだから、こっそり予約してくれていたのかな」なんて、あの時はひとりで勝手に思い込んでいたけれど、またまた、この現実を見ると、あの時の「大丈夫だよ」と平然と言っていた彼の言葉も頷けてしまった次第。


“こっそり予約”というロマンティックな妄想は見事に打ち破られてしまったけれど、これからを考えると、ちょっとだけ優越感にも似た感情が……。


やっぱり“彼が”VIPなんだけれど。



結局、何を基準に決定したかというと、都内で一番広い宴会場のあるホテルにした。


招待客の人数が半端じゃないということで。


まぁ、そういう状況の花嫁になってしまうと、会場自体は知名度があれば、それほど拘らなくなってしまうらしい。


一種、諦めモードみたいな感覚になってしまうみたい。


そこでも、予算はいくらでもいいらしい。


溜め息ものですね。




で、ドレスに戻ります。


何十件と廻った甲斐あり、オートクチュールの一点ものにした。


ドレスのドレーンの長さ?


たぶん、5mくらいあります。


ちびっこの私が、こんなに長い裾を引いて歩いていいのでしょう……か!?


店員さん曰く。



「お嬢様には、このくらい豪華で上品ドレスがお似合いですよ!」


「ヴァージンロードでも、素敵に映えますよ!」



そうかなぁ…?!


言い過ぎでしょ、それ。



「このドレスは、お嬢様のための一点ものですから、他に着ていらっしゃる方はいらっしゃいませんよ!」



満面の笑顔でそう言った店員さんの「一点もの」という言葉に落ちた。


お値段は……恐くて聞けずにいる、まだまだ御曹司様のお嫁様にはどうかと思う私がいたのでした。


パニエ*は、3重のボリュームたっぷり。


ドレスに着られているみたいになっちゃったかも。



ベールもドレスに合わせて、総丈15m。


当然、特注だけれど、こんなに長くていいの?


何処かの国のお姫様じゃないんだから!



「教会でのお式ですから」


店員さんの一言に、またオチタ。



そしたらティアラ?お花?


迷ったけれど、これは、珍しく口を挟んでくれた彼の意見を尊重してティアラにした。


ティアラだけはレンタルにしたけれど、なんでも、警備員つきの代物。


ここでも、恐くて、お値段など聞けないでいる私がいるのです。



この時、彼は、いつか見た絵本でティアラをしたお姫様の絵を想像したらしい。


私にイメージしてくれてたんじゃないのか……。



レンタルとは言っても、結局は、デザインもお値段も(?)オーダー以上のようになっていた。


「もったいない」と言った彼の言葉の主語には、「保管場所が」と付けるのが適当だったようだ。


私からしたら、主語は「お金が」なんだけれど……。




パニエ=お嫁さんのドレスの下にはく、インナー。

ふ~んわりとしたイメージのドレスにはかかせない優れもの。

スカート型になっていて、形状記憶ワイアーが入ってカタチを固定。

1段とか2段が主流。3段は、かなりボリュームが出る。

それが、2重3重に重ねてあったら、もうゴージャス!!!

フランス人形をイメージしてくださいませ。



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