◆花嫁の叫び!◆(7)
気を取り直して、会社の休み時間に彼へ電話した。
「ねぇねぇ、お色直しのドレス、見たいんだけど」
「今度の休みに行く?」
やった~~~!!!
そんなに沢山のドレスを持っていても何ので、カラードレスはレンタルにした。
披露宴を行うホテルは有名なギャラリーと提携しているので、持込みの手間などを考え、ホテル内で決めることにした。
彼との電話を切った後、即座に、藤田さんに連絡した。
「ご覧いただいても、もちろんかまいませんが、来月、新作会もありますから、それまでに大体の流れをお決めになられてはいかがでしょう?」
ああ!お色直しの回数とかか……。
それもそうだわね。
で、結局、お色直しのドレス選びは来月に持ち越しの運びとなりました。
うるる。
そういえば、彼。
登場回数、少なすぎると思いませんか?
申し訳ございません。
でも、仕方ないんです……。
何を聞いても、相談しても、「君の好きなものでいいよ」、「一番、高いのにすれば?」、「豪華な方でいいよ」と言われるだけなので、登場と台詞がないんです。
全く興味がないわけではないらしいのです。
最初の頃と比べると、けっこう熱心に行動はしているので。
招待客リストも一生懸命につくってくれているらしいし。
というわけで、これからも登場回数は少ないと思いますが、ご了承くださいませ。
さて、次なるはウェディングケーキ。
情報誌によると、『新婦の手作り』が流行っているらしい。
これも、例の“手作り”結婚式の影響。
でも、この結婚式では、私の手作りは……完全に無理!
彼からの言葉は想像は付くけれど、一応、ホテルのウェディングケーキの種類が載っているパンフレットを見せた。
「どれにする?」
「一番、高いのがいいよ」
ほら!きた。
“高い”というのは、ウエディングケーキの高さのことです。
当然、その高さに比例して、お値段も高くなるのは必然。
それは、彼にもわかっていることでしょう。
ね、こんなカンジなのです。
「天井の高さもございますし、ご新郎様のおっしゃるとおり、高さがある方が素敵ですよ」
と藤田さん。
この笑顔にには、かないません。
お菓子作りだけは得意なワタクシ。
やっぱり作りたいよ、ケーキ。
『二次会で作ろうかな』
あ!二次会とかはどうするんろう!
ドレスと思ったら披露宴のことになり、今度は二次会へと考えが及び。
一体、この先、どうなるでしょうか。
数か月なんて、あっという間に決まってるし。