2-22.
適当なところで帰るにしてもせっかくお城に来たのだからスイーツくらいは食べて帰ろう。ミッションは成功したとはいえ、さすがに今帰るのは早すぎると思う。
それに、お城で出されるものにはすごく興味があるし……。
せっかくだからお庭もみたいしね。お茶会の会場はお城の庭で普段は入ることができない。
このお庭もきれいに手入れが行き届いているし、いろいろと参考になるかも。スイーツをいただいたらお庭もじっくり見学していこっと。
スイーツは椅子に座って近くにいるメイドに頼んで持ってきてもらっても良いし、自分で取りにいってもいいシステムだ。椅子に座ると飲み物を出してくれる。わたしはもちろん自分で選びたいので人には任せない。
わぁ。目移りする。どれもおいしそうなんだけど……。
招待したご令嬢を喜ばせるためなのか、たくさんの種類のスイーツが並べられている。見た目も華やかだ。
これがお城クオリティ……。
いろいろ食べたいけれど、太るといけないから厳選して……。
とはいえ、チョコ系は外せないし、フルーツがふんだんに乗ったものも……。あぁ、スポンジを使ったものは絶対食べなきゃ。わたしは軽めのスポンジが好きなんだけど、これはどうかしら。スポンジによって全然味が変わってくるわよね。
はぁ。来て良かった……。
悩みに悩んで四種類だけお皿にのせたわたしは適当な椅子に座る。すると、すかさずお城のメイドが近づいてきてお茶を勧めてくれた。好みのお茶があれば、それを。おすすめのもがよければおすすめを出してくれるそうだ。
せっかくなのでおすすめのお茶をお願いした。
この動き。やっぱりお城は働く人も一流なのね。
殆ど待つことなくお茶が出てくる。わたしが選んだものに合うお茶らしい。
……さすがお城でおすすめするお茶。香りも良いし、めちゃくちゃおいしい。これ、どこで買えるんだろう。訊けば教えてもらえるのかしら。
スイーツは……うん、おいしい。普通に。期待しすぎたのかな。これなら家でも出てくるレベル。もう少し改良ができる気がする。今度お菓子作りでもやってみようなぁ。時間はたっぷりあるし。
わたしはすっかり自分の世界に没頭していた。目的を果たしてすっかり気が抜けていた。
「ねぇ、あなた。ちょっといいかしら」
知らないご令嬢たちに声をかけられた。
これってもしかして……。校舎裏に呼び出されて因縁をつけられるやつかしら? ここはお城だけど。
「ちょっと来てくださる?」
「ご用はなんでしょうか?」
「特別な用がないと話しかけてはいけないのかしら」
「いえ、そういうわけでは……」
「そう。ならいいわよね。あちらでわたしたちとお話しましょう?」
うーん。面倒そうだなぁ。でも、ここでついていかないのももっと面倒なことになりそうな気配でもある。仕方ない。ついて行くか……。
「わかりました。ぜひわたしとお話してください」
「わかれば良いのよ。さぁ、行きましょう」
わたしは三人のご令嬢たちに連れられて移動する。どんどん人気のない方向へ向かっているようだ。
「あの、どちらに行くんですか? あまり会場から離れると……」
「向こうに噴水があるの。きれいだし、涼しくて気持ちが良いからそこに行きましょう」
面倒ごとに巻き込まれる予感がした。




