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2-3.

 ものすごい勢いでリネットは部屋から出て行った。仕方がないので本を読んで待つことにする。もう少ししたら喉が渇きそうだなと思っていたのに、目の前にはちゃんとお茶が用意されていた。

 とても気が利くリネットはメイク道具を探しに行ったと思いきや、すぐにわたしのお茶を持って戻ってきた。準備ってこれのこと? と一瞬思ったけれど、またすぐに去っていった。

 用意してくれたお茶は本を読みながら飲んでも大丈夫なように冷めてもおいしいハーブティーだ。レモングラスにペパーミントが少し入っているようでとても爽やかに仕上がっている。飲みやすいようにはちみつも入っていておいしい。

 本当にリネットはわたしのことを考えてくれるている。なんでわたしが今飲みたいものがわかるんだろう?


 そうやって本とお茶を楽しんでいると「お待たせしました」とリネットがいろいろな道具をもって戻ってきた。思ったよりも早い。もう少し時間がかかると思っていたのに。


「レティシア様、一般的な化粧品と道具を持っていまいりました。今回は普通にお化粧するわけではないようですので、普通なら使わないようなものも選んでみました」

 

 そう言ってリネットはわたしの目の前に持ってきたものを並べてくれる。わたしがこれまでに使ってきたようなものもあるけれど、種類は少ない。

 基礎化粧品は化粧水のようなものはあるけど、乳液や保湿クリームはなさそう。お肌が乾燥しないのかしら。お粉はあるけど、メイクアップ化粧品も種類は少ない。当たり前なんだろうけどパールやラメが入ったものはない。

 これって、化粧品を開発して売り出せば大ヒットするんじゃないかしら……。


「ありがとう、リネット。短時間でよく集めてくれたわね。……これってクレヨンに絵の具?」

「そうです。いろんな色があった方が良いかと思いまして。植物が原料のものと鉱物が原料のものを分けてあります」

「クレヨンや絵の具はパッチテストした方が良さそうね」

「パッチテスト、ですか?」

「肌に合うか合わないかを確認するの。顔に塗ってかぶれてしまっては大変だもの。腕に少し塗って観察してから使った方が良いわ」

「一応、わたしの肌で試してから使っていただこうと思っていたのですが……」

「わたしの肌で試さないと意味がないわ」

「そういうものなのですね……」

「あとでやってみましょう。まずはわたしに一般的なお化粧をしてもらえるかしら?」

「おまかせください」


 そう言ってリネットはわたしの顔にメイクをしてくれた。侯爵家で使うものの割にはブラシもあんまり肌触りが良くない。この世界ではあまり道具も良くないのかも。

 高品質なメイク道具も売り出せば人気が出るかもしれない。

 考え事をしているうちにメイクが終わったらしい。


「レティシア様、できましたよ。いかがでしょうか?」

「ありがとう」


 うん。悪くはない。悪くはないけど、普通だ。元々の顔が良いからこれで良いといえば良いのかもしれない。でも、もう少し良くなりそう。使い方はわたしの知っている方法とさほど変わりない。それなら自分でやってみたい。


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