三女さーの偏食事情
三女さーは超偏食である。匂いに敏感なことは過去に触れたが、理由は他にもある。
「お母さんが料理苦手だからよ。」と言われたことは何度もある。
別に料理苦手でもないけど得意でもないから、「そうですね~、料理作るより粘土で食品サンプル作るほうか好きなんです~。」と聞き流している。
実際の偏食の理由は、長女の同伴登校に付き合わせていた期間中、授業の邪魔にならないように、さーにとってつまらない時間を慰めるためにアメを食べさせていたせいだ。
学校の授業1時間だけでも、わずか2歳のさーに教室で遊ばせることも読み聞かせなどもできず、ひらすら静かにさせるために毎日アメを食べさせていたら、甘いものに依存するようになってしまった。
同伴登校の前は、多少の好き嫌いはあっても普通に野菜もフルーツも何でも食べていたのだが、小さい子どもにとって口の中に指やお菓子を咥えることは心を落ち着かせる効果があって、甘いアメと安心感が結び付いてしまったとカウンセラーの先生は推測してくれた。
原因がわかった次はさあどうする?といっても、一度偏食になってしまったものを治すのは並大抵のことではない。
無理やり食べさせるのは食事そのものへの恐怖をあおるだけでなく、私への不信感にも繋がってしまうため、長い時間をかけて本人が食べたいというまで無理をさせないことを小児科の先生に勧められた。
かくしてさーの食べられる食事は
・おにぎり (ツナマヨかふりかけのみ。海苔は食べられる)
・ミートボール (ハンバーグは食べられない)
・フライドポテト
・唐揚げ
・卵かけご飯
・いなりの皮 (酢飯は匂いがダメなので油揚げだけ)
・うどんとそば
・蒸しパン
・パンケーキ
・カニかまとお魚ソーセージ
・卵焼き (だし巻き卵は食べない)
のみになった。お菓子は大好き。果汁100%のグミやゼリーは食べられる。
今はパンケーキの中にかぼちゃとさつまいもを隠し、ミートボールの中にニンジンと玉ねぎを忍ばせ、友達と同じ名前のふりかけでほんの少しの青菜を摂り、アンパンマンの野菜ジュースと子ども用サプリメントでしのいでいる。
こんな食生活でも、さーは我が家で一番体が丈夫である。めったに風邪もひかないし、お腹の調子もとても良い。離乳食を過ぎたあとは嘔吐もしたことない。
身長も平均を5㎝以上上回り、BMIもプラス5くらいでバランス良好である。
発達障害とHSCは『似て非なるもの』だが、敏感という共通点がある。
発達障害の方にも偏食はよく現れる症状だから、子どもの偏食はもはや治さなければならないものでも、親のせいにされるべきものでもない。
だいたい、人類の歴史の中で栄養バランスを考えていろんな食材を食べられるようになったのはごく最近の豊かな国の人だけだもん。
さーは小児科の先生から「かぼちゃ1つだけでいいから頑張って食べな。」と言われ、それだけでいいなら頑張れると喜んでいた。認めて受け入れてあげるのが一番の健康のもとだと思う。心を病んでしまったら結局は体も健康でいられなくなるのだから。
というわけで、さーは学校の給食が食べられないので毎日お弁当を持たせている。
ふりかけおにぎりとミートボール、卵焼きと毎日代わり映えのないお弁当だが、学校の先生もお友達も理解してくれているので、さーは楽しく学校に行けている。
今日も朝からお弁当のおにぎりを作って、冷ましてからお弁当箱に詰めようとしたら
「あーっ!!おにぎりがない!!」
「ごめん、食べちゃった」
パパめ~っ(怒)!!