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メルは腰の若草色のポシェットの中から、古風な本とは違う、『もう一冊の本』を取り出した。
それはカラが残したメビウスオンラインの日記のデータだった。
メルが受け取った現実世界のカラの日記には、その隅っこに、パスワードのような文字が書かれており、その文字をメビウスオンラインでプレイヤー登録をしていたときに『プレゼント』の項目のところに入力すると(イベントや誕生日などに、ある特殊なアイテムなどがもらえたりする項目らしい)その、カラの日記は、『カラの日記』(書かれている内容は、空の日記とほぼ同じだった。それは事前にアイテム説明のところで確認できた)という名前のメビウスオンライン上のアイテムに変化して、メルの初期からの持ち物の一つになった。
アイテムランクはSSR。
結構なレアアイテムだ。(よく価値はわからないけど……)
メルはその日記を、ぺらぺらとページをめくって、その内容が現実世界のカラの日記と同じであることを確認すると、それをまた腰の若草色のポシェットの中に大切にしまいこんだ。
「うーん!」
それからメルはその場で一度、思いっきり背伸びをした。
(さて、これからどうしようかな?)
すると、そんなメルの視界の中に、遠くからこちらに向かってやってくる、一台のジープの姿が確認できた。(メルの視力は両方ともかなり良かった)
遠くからこちらに向かって、二つの白い月を背景にして、草原の上を走ってくる一台の緑色の小型のジープ。
そのジープに乗っているのは、どうやら二人のようだった。
一人はメルに向かって、小さく手を振っているように見える。
メルはそのまま(……一度、逃げるかどうか考えたのだけど、近くに隠れる場所もなく無理そうだったのでやめた)この場所に止まって、そのジープがやってくるのを待ってみることにした。
その小型のジープは、数分もせずに、メルのところまでやってきた。




