魔王降臨!?
「我の眠りを妨げるものは誰だ・・・」
ふむ、足を封じることにより我の機動力を抑えようということか・・・
だが、甘いっ!その程度の鎖を我が打ち破れないとでも思ったかあああ!ふんっ!
「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」
痛いっ! 痛いっ! 痛いっ! 何が起きたっ!!?
「ダメよ~暴れちゃ!!オムツ替えてるんだから!」
・・・どうやら足をぶつけたらしい。ものすごく痛い・・・。
「あら、とっても痛いのね。もう元気な子で良かったわ!
でももう少し動けるようになるまではじっとしててね。≪ ヒール ≫」
!!!?
お~痛みが引いてく・・・って魔法だ!本当にあるんだ・・・魔法。
「あらあら、魔法に興味津々なのね。これは本当に将来有望ね!
そうなの!この世界は魔法であふれているのよ?
私は前世であまりゲームとかしたことなかったから、こっちに来てから色々と
教えてもらったのだけど、魔道具?っていうのは分かる?
魔法がこめられた道具なんかもあって、とっても生活が便利なのよ?」
魔道具もあるのか。これは本格的にファンタジーだ・・・
日本の文化を元に作った世界って・・・ちょっと片寄った文化じゃない??
ともあれ俺にとっては小説などで読んだ馴染み深いものだったので、
両手をたたいて喜んでおく。
「うふふ、魔道具を知っているのね?これはマコトにとってはものすごく
楽しい世界なんじゃないかしら?良かったわ。
息子が楽しんで生きてくれるなら、ママとっても幸せよ♪
そうそう、パパはああ見えてとっても物知りで頭がいいから、
今度、魔法のこととか色々教えてもらいましょうね?」
そうこうしてるうちに、オムツも替え終わったようだ。
下半身をいきなり見られるとか恥ずかしいのでは?と思ったけど、
どうやら普通に受け入れられた。これが体に引っ張られるということか・・・。
「そうそう、マコトは産まれて間もないのに一人部屋でしょ?
これも部屋とベッドが魔道具になっているからなのよ?
部屋には家族以外が進入したら音が鳴るセンサーの魔道具が付いてるし、
ベッドには呼び出しボタンのほかに、体重のセンサーもついているし、
あそこのカメラでマコトの姿も映るようになっているのよ?」
あれ?ファンタジーと思いきやかなりハイテクな世界なんじゃ・・・
「ふふふ、と言ってもそもそもそんなに悪い人たちはあまりいないし、
すごい便利だから、私はこの世界に生まれ変わって幸せよ?
あぁ早くマコトにもいろんな場所を見せてあげたいわ~♪」
うん、なんかママも幸せそうだし、興味を引かれることもたくさんあるし、
俺もものすごく楽しみになってきたよ!
「それじゃあまた少しお昼寝なさい。パパは今日も早く帰ってくるって言ってたし
また抱っこしてもらいましょうね!」
そういうとママは優しい笑顔を振りまいて出て行った。
確かに色んなことを知るたびにワクワクしている自分がいる。
そう思いながら暖かい陽気には逆らえずにまた眠りに落ちるのであった。