その名はミサキ!!
「おおミサキ!起きたのか!ただいま~!ミサキ喜べ!
弟も記憶持ちだ!ミサキ弟欲しかったんだもんな。
弟はマコトって言うんだ。ミサキおねぇさん兄弟仲良くな!」
色々急展開過ぎてとても整理がつかないがどうやら姉がいるらしい。
ミサキと呼ばれた女の子が目の前まで来たらしく、
金色の長い髪とこれまた美少女が視界に飛び込んできた。
「べ・別にアタシは一人っ子で良かったし弟なんて欲しくなんだからっ!」
金髪でツンデレとか、なんてベタなんだ!!!
「あらあら、ミサキは大好きなパパを獲られちゃいそうで心配なのね」
「なっ!違うもん!別にパパなんかいなくたってアタシは平気だし!」
「その割には、パパいつ帰ってくるの?っていつも聞いてくるじゃない、うふふ」
「大丈夫だ!パパはミサキのことも大好きだからな!あっはっは」
そう言ってダイスケは、軽々とミサキを抱きかかえる。
ミサキの顔がすぐ近くまで来て、「あぁこれは将来美人になるな」と思った。
「ふんっ!まぁいいわ。アタシの弟にふさわしいように、
徹底的に指導してあげるんだから!マコトだっけ?覚悟しておきなさいねっ!」
ヤバい・・・ベタなツンデレすぎてこれは腹筋に来る。
ミサキがデレるときがいつか来るんだろうか・・・。
「それでパパ。マコトにはどれだけのことを話したの?
この世界のこと、属性のこと、スキルのことくらいは話したの?」
「いやまだ何も話してないぞ?今は記憶があるかどうか聞いただけだからな。」
そうなんだよ、いったいここがどういう世界なのかとか
聞きたいことが沢山あるんだよ。ママが水属性だとか、パパが鎧着てるとか・・・
ってスキル!?何それ、まだそんなファンタジー的なのがあるの!?
「ふ~ん。まぁパパもママも私にな~んも教えてくれなかったし、
ずっとこれからどうしたらいいか分かんなくて不安だったんだから・・・
弟にそんな思いさせたら、お・おねぇちゃん失格よね!うん、そうだわ。
アタシが色々教えてあげるんだから感謝しなさいっ!」
「うふふ、さすがおねぇちゃんね。頼りになるわ~!!」
「当然よっ!アタシは将来ダンジョングランドスラムするんですから!!」
ダンジョングランドスラム!!?え?もうやめて!!
ファンタジーで頭がお花畑になってしまう・・・
「ってかママ、おなかすいた!ご飯食べたい!!」
「あら、そういえばもうそんな時間ね。じゃあ今すぐ支度するわね」
「あたしも手伝う!!今日はレッドブルのハンバーグがいい!!」
レッドブル・・・栄養ドリンクじゃないよね?赤い牛かなぁ・・・?
ってあぁ次から次へと・・・なんかもう疲れてしまった・・・
「お、マコトは眠くなってしまったかな?
産まれたばかりはすぐ眠くなるからな。よしよしよく寝るんだぞ。
起きたりなんかあったらベッドについてるボタンを押せばすぐ来るからな。
おやすみ。俺のとこに産まれて来てくれてありがとうな、マコト」
そういってダイスケパパにベッドに寝かせてもらうと、
俺はあっという間に夢の世界へと旅立つのであった・・・。