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傘の夢  作者: つばきハル
7/10

7.夕方

次の日。僕が僕でいられる期限はあと5日。そして、そのうち、学校に行く日は3日のはずだ。昨日から降り続いている雨は、まだ止む気配がない。そして、昨日からの熱っぽさはまだ消えてくれない。もしかしたら、僕と傘が一緒に学校にはいられないのかもしれない。それだったら、また今日も学校にはいけないことになる。僕には時間がないのに…。焦る気持ちは膨らむけど、雨は、一向に止む気配がない。あー、明日が来たら、あと2日しかなくなってしまう。この日の昼過ぎ、僕は未実さんの家に遊びに行った。未実さんは、体調を崩しているはずの僕が玄関先に立っているのにすごくびっくりしていたけれど、

「そこ、雨当たっちゃうから、上がりなよ。そういえば私、水守くんの分の学校のプリントとか、預かってるんだ。」

と、明るく迎え入れてくれた。前と同じ応接室に入ると、

「水守くんが同じ学校通えるのあと3日しかないはずのに、お休みしてたから、心配したよ。急にどうしたの?」

未実さんも、やっぱり数えてた。

「心配かけてごめん。今もなんだけど、昨日から少し熱っぽくて、保健室で熱はかったら帰れって言われちゃってさ。」

「そうなんだ。じゃあ、今、うちに来ちゃって大丈夫なの?」

「あと3日って思ったら、やっぱり会いたかったから。それに、ちょっと確かめたいこともあったし。」

「え…、確かめたいこと?」

「うん。未実さん、昨日と今日、僕の正体だって言った傘、学校に持って行った?」

「うん。私、あの傘しか持ってないし。」

「なら、一緒に試してほしいことがある。明日、僕は無理してでも学校に行く。でも、その前にここに寄るから、未実さんの傘は使わずに、僕の傘で学校に行くんだ。」

「なんで?」

「もしかしたら、未実さんの傘と僕、つまり、同じものが一緒に学校には居られないから僕が体調悪くなったのかなって思ってさ。」

「そんなことあるのかな?でも、試してみよっか。」

「ありがとう。それだけいいに来ただけだから、僕はこれで帰るね。」

「うん。じゃなくて、プリント持って帰って。」

「あ、忘れてた。ありがとう。また明日。」


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