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傘の夢  作者: つばきハル
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4.学校2日目

次の日、僕と吉田さんの家がご近所だとわかったので、近くの空き地で待ち合わせをして、2人で学校に行くことになった。


「おはよう」

僕が約束の場所まで行くと、もう吉田さんは来ていた。いざ、一緒に行くと言っても、僕たちは昨日会ったばかり。吉田さんの趣味もよく知らないし、この学校に友達と呼べる人もいない。どうしたらいいんだろう。僕が戸惑っていると、

「まだ学校までの通学路が不安って言ってたけど、水守くんも、早くこの街になれられるといいね。」

と、声をかけてくれた。僕も、

「うん。」

と、返したけれど、そこから話が続かない。

「今日は、昨日と日課が違うから半日で終わりなんだけど、何か予定ある?」

吉田さんがまた話しかけてくれた。

「え?そうなの?」

僕が驚いていると、吉田さんは、

「昨日の朝、言ってたじゃん。聞いてなかったの?」

と、言われてしまった。

「あ、朝はまだ緊張してて、自己紹介終わって一息ついてたから、聞き逃したかも。」

と、僕が答えると、

「そっか。そうだよね。みんなの前でいきなり話すなんて、緊張しちゃうよね。で、午後、何か予定は?」

と、また聞かれたので、

「特にはないよ。僕まだ友だちできてないし。」

と、言うと、

「もしよかったら、帰りも一緒に帰る?」

平然と話す吉田さんの言葉に、気がつけば、

「うん。」

と、答えてしまっていた。無意識で答えてしまったとはいえ、僕が言ってしまったからには責任を持たないといけない。でも、考えてみたら、少し楽しみだ。いろいろ考えていたら、あっという間に時間が過ぎた。


放課後、待ち合わせをしていた武道館の前に行くと、

「ごめんね。教室とか校門とか言えなくて。やっぱりみんなに見られちゃうの恥ずかしくて…」

と、いきなり吉田さんに言われた。僕も、

「ううん。僕も、見られるのはちょっと恥ずかしいし、ここ来るまで緊張してたし。」

と答えたら、吉田さんにも、ちょっと笑顔が戻った。お互い緊張しているからか、学校の近くでは、2人とも無言で、少し距離を置きながら黙々と歩いた。学校から少し離れた田んぼ道までくると、吉田さんがいきなり、

「なんだろう。私ね、水守くんとは会ってから1週間も経ってないはずなのに、そんな気がしないの。隅田とかサカちゃんみたいに、昔から一緒の学校にいるみたいな気がしてて。そんなわけないのに不思議よね。」

と、いきなり言われた。ちょっと驚きつつも僕が、

「僕もそうだよ。名前聞いたのも、こうやって話すのも月曜が初めてだったなんて思えないぐらい仲良くなれたって思ってる。これも、話しかけてくれた吉田さんのおかげだよ。ありがとう。」

僕が急にお礼を言ったから驚いたのか、吉田さんは、

「え?わ、私も話せたら嬉しいもん。」

と言って赤くなった。

「あ、ここ、うちなんだ。今度遊びに来てよ。じゃあ、また明日。今日はありがとう」

と言って、スタスタと家に入って行ってしまった。一体、どうしたんだろう?


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