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詩集その1

消える朝は眠る

作者: 浅黄 悠


いつも

流れていく時の渦はどこまでも黒く果てしなく

生暖かく包む泥の河

鳥の翼の一枚一枚がただ焼け残るまま

一拍。




これもそれも

今は要らない

すとんとこの夜

抜け落ちた昼の

刺すような空気

革靴の片方だけ

カナリアの黄が

静かにはばたく


ホットケーキのできる頃に

プリズムの路が 全てひび割れる

転がる飴玉は掴めず彩色は伸びる

固まることのないそれは、それは

僅かにブレている時間なのだろう


雫の落ちる一房の先に

液晶と月の水の甘さと…

明るい午前4時

テレビからは風のようにノイズ

日々と日々とのつながりの間で

雨の記憶を垣間見る

晴れた日が唄っているよ

洗濯物の白なのかもしれない



ああ、世界は鼓動していて

境のない宇宙で

深淵のすきまにぎっしり重みがあって

捨てるのは怖い だから戻るしかない

使い切って四散した羽だらけの場所

覚えこんだ魔法しかない場所

収束する可能性は光の豪雨が止むのに似ている

止まない雨は無いのか止む雨だけあるのか


常識は魔法 確率はいつも奇跡

なのにこんなにもつまらなさそう、何故?

色のない朝は いまだ嫌われている


現実に生きるって

こんな景色でさえみることも許されない?

なにも見ず 生きていかなければいけないのが 大人なんだ?

微笑ましい、と子供に嫉妬する視線の不思議





岩盤は弾けて

ポリエステルは叫んだ

テトラポッドは憂鬱に沈み

鉛筆は折れて

今は冷たく消える空白。




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