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えがきたくもない物語  作者: 万彩雨虹
第零章
5/26

えがく物語を彩る素材

「ふん、面白い。口だけならば何とやらだ。

 それだけのことを言うに足る実力者か否か、確かめさせてもらおう!」

 竜のおっさんが立ち上がって、近くにあった溶岩石の塊を素手で貫く。ワオ。

 そしてその中から、岩でできた鉈のお化けのような武器を引っこ抜いた。

 像も真っ二つにできそうなくらいのものだ。

 いや、スゲーけど、そんなとこに隠しておかなくても。

 と思ったら、周囲の岩石も砕けて、中から小さいドラゴンが出て来る。

 ですよねー、ボス戦に敵のお供は当然ですよねー。

 小さいと言っても、竜のおっさんと比べたらって話で、

 実際は3メートルくらいありそう。

 このドラゴンも皮膚がゴツいから、ミニおっさんみたいな感じだ。

「さあ、ボーメランデアを圧倒したその力で、私を楽しませろ!」

 ポメラニアン? あ、違いましたね。

 おっさんが悪役お決まりのセリフを吐くと、

 ミニおっさんたちが一斉に飛びかかって来た。

「私の兵すら倒せないようならば、世界を取り戻すなど夢のまた夢だぞ?」

 今度はおじさんが挑発してくる。

「私はこの剣に、民を救うと誓ったのだ。この身が肉の一片に成り果てるまで、

 貴様らを切り伏せるのみ!」

 早速挑発に乗るハルーム。

「この拳、あの敵を砕けるか……フフフ……」

 挑発より脳筋優先のドロッド。

「私は見つかると色々と面倒なので、端っこで見守ってますね~」

 すっかりと回復したヴルデュイユ。

 挑発以前に敵前逃亡。

 魔法で姿まで消すという徹底ぶり。

 まあ、邪神だし、魔王軍相手だと裏切り行為になるのかな?

「あなたも魔王も、タケマルさんの描く物語を彩る素材でしかないということを、

 その身をもって知るべきです! そして私は、

 タケマルさんの描いた世界で、

 タケマルさんがもたらした平和の中で、

 タケマルさんにかしずき、ひれ伏し、崇め、全てを捧げ……

 ハア……ハア……」

 挑発をいとも簡単に欲望へすり替えるフミオノーレ。

 怖いっす……。

「まあ、そんなの、どうでもいいし」

 挑発に乗らない俺、タケマル。

 再び、みんなポカーン。


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