正直どうでもいいし。
「酷いですよ……タケマルさん~」
モザイクがかかりそうな頭部で俺に這って来るヴルデュイユ。
さすが邪神見習い。タフでキモイ。
ズブッ! メキメキッ! ボキャボキャッ!
そんなキモイ彼女の背骨に、フミオノーレが杖を突き刺してまたグリグリする。
「……さっきから救世主様に……邪神崩れが馴れ馴れしい……」
フミオノーレの幼い顔つきが大魔神のようになる。
15歳の顔ではありません。
「……タケマルさん……助けて……けっこうマジで……」
それでも止めないフミオラ。
これ見ても分かる通り、フミオノーレは俺に対して中々に狂信的だ。
「この地の安寧を崩さんとする者め、覚悟するが良い」
腰の長剣を抜いて気合を入れるハルーム。
気合を入れ過ぎて、小奇麗な顔が渋みに染まる。
18歳とは思えない。
「ふふ……たぎる、たぎるぞ!」
興奮する脳筋男。
一人だけ30代、年相応。
謳歌してるな。
そして、二人ともヴルデュイユをスルー。
慣れたもんです。
四方を溶岩石で囲まれた広大な空間、
その奥に、これまた溶岩石でできた一際デカイ玉座があった。
その玉座に座するのが魔王軍大幹部、溶岩竜ガオン。
らしい……。
だって、俺よく知らないし。
魔王とか、この世界の平和とか、正直どうでもいいし。