うっすい忠誠心
ヴルデュイユ、さっきからフミオノーレを、
正確にはフミオノーレの杖をチラチラ気にしてるし。
よし、それなら質問を変えよう。
「俺を観察してたって言ってたよね?」
「……えっと〜」
彼女、まだ気にしてるな。
そりゃ、あんだけぶっ飛ばされればそうなるか。
「フミオノーレには言わないから、ちょっとおしえてくれない?」
「……でも〜」
「教えてくれたら、後で俺がもう杖で叩かないように頼んでもいいよ?」
フミオノーレ、俺の言うことは聞いてくれそうだしね。
「いえ、それは別にいいんですけど〜」
いいのかよ。
え、君ってドM?
「やっぱり、あんなのでも今は私の主様ですから〜」
あんなのって……。
やっぱりフラストレーション溜まってる?
いや、あの主だと溜まるよね。
しかしなるほど、いわゆる契約とかがあるのね。
急に召喚魔術っぽい設定出てきたな。
くそ、それは面倒だな。
よし、ここは更なる権限発動。
「フミオノーレは君の主人かもしれない。
しかし、彼女は俺に絶対の服従を誓うと言っていた。
それはつまり、俺はフミオノーレの主に相当する者ということ。
となれば、俺の命令であればヴルデュイユ、
君も従わなければいけない!」
絶対服従なんて、微塵も言ってないけどね。
まあ、似たようなこと言ってたし、ちょっと盛るくらい許して。
さあ、どう出るヴルデュイユ。
これでも主への忠誠が優って……。
「わかりました〜! タケマルさんのご命令でしたら喜んで〜!」
うっすい忠誠心でした。
そりゃ、あんだけドツかれれば……。
まあ、いいや。
よし、今のうちに訊けるだけ訊いとこ。
「んじゃまず……俺の監視はいつからしてたんだ?」
「割と最近ですよ〜?タケマルさんが鏡みたいな物での
遊びに夢中になり始めた頃です〜」
鏡みたいな? あ、スマホか。
ということは、ゲームでティターニア、俺の嫁と出会った頃くらいかな。
「全然気づかなかったけど、魔法か魔術かで姿隠してたってこと?」
「いえ、私はまだまだ見習いですから〜
憑依する対象がないと別の世界では存在できないんです〜」
「じゃあ、何かに取り憑いてたとか」
「そうとも言いますね〜あ、でもまだ人とかには取り憑けないんですよ〜
そこまでの力はまだ無いので〜」
ということは、物に取り憑いてたのかのか。
「ちなみに、何に取り憑いてたの?」
「それは……恥ずかしいです〜」
腐女子が急にモジモジし始めた。
何!?そんな恥ずかしがるようなものにいたの!?




