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えがきたくもない物語  作者: 万彩雨虹
第壱章
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逆ファイナル・デスティネーション

「そ、そういえば、最後の、定めの流れに愛されし者っていうのは?」

 何となく気まずいので、俺から聞いてみる。

「そうでした~最後の、定めの流れに愛されし者、運命に選ばれし者というのは、

 どんな災いにも不運にも巻き込まれることなく、

 その日の生を常に全うできていることです~」

 しばしの沈黙、

 違う意味で。

 それって普通のことじゃん、

 って、大半の人は思うはず。

 でも、俺は違うことを考えていた。

 最後のその条件、ちょっと心当たりあるんですよね……。

「何で……それが当てはまると思ったの?」

 一応聞いてみる。

 たぶん予想だと、普通の答えは返ってこないと思う。

「タケマルさんは~災いの危機の数々を全て乗り越えていました~

 例えば、空を飛ぶ鉄の船が事故に遭って落ちてしましましたが、

 船はバラバラに壊れても犠牲者は一人も出ませんでした~」

 鉄の船、飛行機のことですね。

 ありましたね、そんなこと。

 修学旅行のときだったかな……。

 奇跡の生還って騒がれましたよ。

「他にも~連続で8回雷に打たれましたが、傷一つ負いませんでした~」

 あれはビックリでしたね。

 あとで聞いたら、近くの木とか水たまりとか電柱とかに流れたらしくて、

 それで助かったらしいです。

 スゲー怖かった記憶がある。

 ちなみに、ヒッキーになった原因の一つです。はい。

「あとは~家畜の大暴走があっても、

 タケマルさんの所だけ避ける形になって難を逃れてました~

 それに、牛さんたちにも犠牲は出ませんでしたね~」

 子供の頃の話ですね。

 田舎の牧場を見学に行ったときですわ。

 引率の先生が洪水みたいに流れていく猛牛の向こうで、

 スゲー不安な顔してたの覚えてます。

 ちなみにこれも、ヒッキーになった原因の一つであります。

 おや? 何でそんな前のこと知ってるの?

 まあ……ネットで調べればすぐか。

 今は何でもネットに載ってますからね。

「それに~調理器具のお店にタケマルさんが行ってたとき地震があって、

 頭の上から刃物が雨のように降り注ぎ、

 割れた展示棚の中からも何本もの刃物が飛び出してきましたが、

 全部タケマルさんを避けるようにして壁とか床に刺さってました~」

 ありましたね、そんなこと。

 親がちょっと良い包丁が欲しくなったとかで、荷物持ちも兼ねて同行したときです。

 あれは肝を潰しましたね。

 ちなみに、ヒッキーになった原因の一つです……。

「それとそれと~他にも……」

「あ、その辺でいいです、わかりました……」

 俺は手を前に掲げて、ヴルデュユを止めた。

 はあ……過去のトラウマが傷口を開いていく……。

 確かに他にも色々とあったけど、思い出したくない……。

 だって、怖かったんだもん……。

 その有り得ない奇跡の連続のせいで、

 当時の友人たちからはGFD、逆ファイナル・デスティネーション

 っていうあだ名が付けられてました。

 しまいには、ただ単にファイナルって呼ばれてた。

「いや~ですからタケマルさんの命を奪うときは、苦労しましたよ~」

 は? 今、何て言った?


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