表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/24

魔の森に化け物が現れた件

ヘリオスのみっちり修行で、5歳で剣術Lv.5になった。ヘリオスにはお前は天才だ。と言われた。褒められるっていいね!!日本じゃあまり褒められた記憶がないので普通に嬉しかった。


「ヘリオスさん、二ヶ月間ありがとうございました!おかげで5になる事ができました!」

「いや、なに。俺は基礎を教えただけで剣術Lv.5になったのはベル。それはお前の力だ。」


修行期間が終了し、今日でお別れなので感謝の気持ちを言う。修行内容は厳しかったが優しかった。とてもいい人だった。


「…ベル。今日でお別れね。」


涙目になりながらそう言うレフィア。相変わらず泣き虫だ。それを横見で見ながらヘリオスはニヤニヤしていた。


「ベル。お前、レフィアを迎えに来てやれよ?」

「え?えっと、はい?」


いつか再会しろよ。という意味だと思い俺は返事しといた。その返事にレフィアが目を見開けて俺を見る。え?なにその反応。会いたくなかった?という考えは外れ、顔を赤くさせながら嬉しそうな顔をしていた。


ヘリオスは俺の返事に満足したのかまたニッと笑いおもむろに持ち物を漁りだした。そして俺に黒い物体を投げてきた。


「ベル、くれてやる。最上物だ。俺は愛剣が二本あるからな。三本目はいらない。それにその剣はお前にピッタリだ。大事に使えよ?」


投げられた黒い物体は漆黒の剣だった。その剣の柄に何か紋章が書いていたが、ヘリオスに気にするな。と言われたので気にしない事にした。


漆黒の剣は5歳の俺にとって少し長すぎた。長いな…そう思ってブンッと振ると剣が光り丁度いい長さに変化した。


『スキル【自在変化】を取得しました。』


剣の能力ではなく俺のスキルだったらしい。さすが万能ギフト。その様子を一部始終見ていたレフィアは目を見開き、ヘリオスはやれやれといった感じで笑っていた。


「じゃあそろそろ戻ることにする。元気でなベル。」

「はい。ヘリオスさんもお元気で。…レフィア。またね?」


さっきから目元が濡れている。レフィアは俺の顔をジッと見つめてからこっちに歩いてきた。耳元に顔を持ってきたので内緒話かと思い俺も耳を近づけた。


「チュッ…またね、ベル!」


ホッペにキスされた。レフィアは茹で上がったタコみたいになっていたがやった側よりやられた側の方が恥ずかしいに決まっている。というか妹にキスされた感覚なのでそこまで照れはなかったが。


「う、うん。元気でね」


ヘリオスの転移魔法陣がヘリオスとレフィアの下にできる。パッと消えた。暫しの別れだ。悲しくはない。さて。次に会った時にヘリオスに褒められるくらい剣術磨かないとな。


俺はその足でザクスの元へ足を運んだ。そして剣術を磨きたいということを告げると、ザクスは二枚の魔法陣が書かれた紙と、よくわからない笛を俺に渡してきた。


「それは転移魔法だ。魔物の森につながっている。二枚目の方はこの家に繋がっている。行きと帰りに使え。ピンチになったらこの笛を使え。俺が速攻で飛んでいく。可愛いベルのためなら重要な仕事があっても無視だ。」


それはダメだろ…ともかく魔の森という場所の転移魔法をくれるとは。ありがたい。ここで特訓できるということか。


「ありがとうございます。父さま。」

「ベル、気をつけろよ?この森はLv.4の魔物がうようよしているからな。まぁ俺の息子だしヘリオスがシゴいたらしいしあまり心配はしてないがな。」


俺はもう一度感謝をし、転移魔法を使った。そして魔の森に着いた。第一印象は”暗い“だ。昼なのにも関わらず夕方並みに暗かった。さすが魔の森というだけはあるな。にしても暗すぎるな。


(【辺光】)


光系統初級魔法【辺光】は字通り辺り周辺を照らす魔法だ。辺光を照らしてわかったが周りにウヨウヨいた。目をギラギラさせている狼のような魔物が。


「初戦からハードモードか…面白いじゃねーか」


日本にいた時のような口調に戻る。俺はスッと腰にかけた剣を抜く。こっちからは動かず狼の魔物、バロウルフを観察する。背後の一匹が飛び出してくるのを機に残りのバロウルフも一気に飛びかかってきた。


「遅いっ!」


ヘリオスのスピードに慣れた俺はバロウルフの動きが実にゆっくりに見えた。普通なら速くて身動きすらできずに死ぬはずだが。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



その場の光景は異様だった。何せ大人の魔族でさえ一人なら手こずるバロウルフを、小さい少年がたった一人でザクザク倒していっていたからだ。


数分が立ちその少年の周りには大量のバロウルフの死体が転がっていた。その様子を怯えながら陰で見ていた者がいた。


魔の森周辺の町の鍛冶屋の魔族が鍛冶に必要な鉱石を集めるために魔の森に入りバロウルフに囲まれ死を覚悟していたところ、一人の少年が来てバロウルフを全滅させた。バロウルフを倒していた少年はこちらには気付かずそのまま何処かへ去っていった。鍛冶屋は急いで村へ帰りその話を村の人に話した。


魔の森には小さい姿をした化け物がいる。という噂が魔界に広がった事はまだ先の話だ。




…………………………………………………


《ステータス》

サーベルト・ルシフェル・アラディア

種族:魔族

称号:無し

スキル:火炎操作・水流操作・風力操作・雷光操作・暗闇操作・土塊操作・無詠唱・自在変化

魔法属性:火・水・風・光・闇・土

剣術レベル:5

魔法レベル:2


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ