魔法を覚え始めた件
転生してから一年経ち俺は一歳となった。この一年でいろいろなことがわかった。
俺の両親の名前は父親がザクス・ルシフェル・アラディア。母親がアメル・ルシフェル・アラディアという名前で俺は、サーベルト・ルシフェル・アラディア。略してベルと呼ばれている。
そしてこの世界に魔王は8人いて序列があり、俺の父親は序列8位の“八天魔列最下位”などと呼ばれているのだそうだ。八人いて八番目というのも泣ける話だ。
人間界では基本的には魔族は敵視されていて、個人単体では魔族の方が力も強いが人間は魔族に対抗するための魔法を覚えているらしい。その魔法でその辺の魔族は倒せるらしいが魔族の十二貴族ともなるとある程度の人間じゃないと勝てないらしい。恐るべし魔界貴族…。それを統括するのが8人の魔王。ということなのだそうだ。八天魔列最下位とは言え貴族なんかとは桁が違うんだとさ。バケモンじゃねーか。俺の父親…。
そんなことを思いながら一年経ち自分の体で移動できるようになったので俺は最近家の中をウロウロしている。言わば探検だ。ワクワクなんてしてないぞ?してないからな?
今日の目的は本がたくさんある部屋だ。昨日見つけた。情報を集めるために読もうと思ったのだ。てか俺、文字読めるのかな。そう心配したがら部屋に着き本を手に取った。上の方の本に手が届かないのがちょっと悲しい。取れるのは一番下の段だけだ。そして本を開けると全く知らない文字がズラリ。やはり読めなかった。どうしようかと困っていると、あの声がまた頭に響いた。
『文字読解を開始します。読解時間約10秒です。』
文字読解…?まさか文字が読めるようになるのか?いや、まさかな。
『終了しました。反映します。』
俺は目を疑った。俺が見ていた本の字。見たこともない字だったのに読めるようになった。日本語に変わったというわけでもない。ネイティブかのようにスラスラ読めるのだ。凄えなコレ。勉強いらずじゃん!万能すぎる…。俺はこの万能すぎる能力で本が読めるようになった。
いろいろな本を読み漁っていると《ゼロから始める魔法の本!》という本を見つけた。中を開くと初級魔法がビッシリ書かれていた。
(そーいえばギフトの中に【火操作】ってのがあったよな。)
もしかしたら火系統の魔法は覚えやすいかもしれない。そう思って火系統をとりあえず覚えることにした。魔法は体を動かさずできるので一歳の俺でも問題なくできる。ここが魔法のいいところだよね。俺はまず初めに【火球】を覚えることにした。
(えっと、我が叫びに答えたまえ?火球…!)
そう唱えると自分のレベルにあっていれば魔法が覚えられるらしい。つまり魔法を覚えるには魔力量と属性相性だけでいいってことだな。いくら魔力があっても属性相性が悪ければ出来てもショボくなるらしい。その唱えた魔法は物によれば一ヶ月後に取得。ということもあるらしい。
『火系統魔法の取得作業確認。スキル【火操作】を作動します。適応しました。時間短縮をします。完了しました。』
この本の火球の欄の下には獲得時間30分。と書かれていたので時間がかかると思ったが火系統だった事でスキル【火操作】の能力で時間短縮に成功したようだ。超早い。驚いた。
『【火球】を取得しました。スキル【火操作】が【火炎操作】にアップデートします。』
火球を覚えた事によってスキルがレベルアップしたようだ。それは本にも書いてあった、が、にしても早くないか?これが普通なのかな。火球を覚えた俺はさらに覚え続けた結果初級魔法火系統は全て覚えてしまった。その間約一時間。スキルは流石に変わらなかった。ちなみに覚えたはいいが一度も発動していない。なぜなら発動するには詠唱が必要で覚えるときとは違い声に出さなければいけないようだったからだ。俺は一歳。単語単語でしか喋れなかったんです。
『スキル【無詠唱】を取得します。取得しました。』
え、これってまさか魔法使えちゃうやつ?俺の悩みなんでも解決してくれるじゃないか。早速手に入れた無詠唱スキルで魔法を使う事にした。
(炎手!)
俺はさっき覚えたばかりの【炎手】を使った。この魔法は名前通り手が炎で包まれるという技だ。室内。それも本に囲まれた部屋なので火球などは危ない。今の状況でこの魔法は必要不可欠なのだ。だって他系統覚えてないからな。
俺の手が炎で包まれる。成功だ。やはり魔法というのは感慨深いな。素晴らしい。
魔法の素晴らしいさを思い知った俺はさらに火系統の中級魔法の本に手を伸ばし、さらに一時間かけて本に載っている魔法を覚えたのだった。
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《ステータス》
サーベルト・ルシフェル・アラディア
種族:魔族
称号:無し
スキル:火炎操作、無詠唱
魔法属性:火
剣術レベル:1
魔法レベル:1