異世界に転生しちゃった件
書き直しました。
気がつくと俺は知らないおっさんや美女に囲まれていた。さっきのは夢じゃなく、どうやら本当に転生したらしい。美女たちは何かを話していたが内容がわからない。聞こえないんじゃない。はっきりと耳には入ってくる。言葉がわからないんだ。こいつらに日本語は通じるのか?日本語で喋ってみるか…
(なぁ!ここは一体どこなんだ?)
「ダー!ダブーダダーァ!」
俺が喋ったなに被せて可愛らしい赤ちゃんの声が聞こえる。
…あれ?なにこの可愛いボイス一体誰の声だ?赤ちゃんでもいるのか?
(この部屋に赤ちゃんでもいるのか?)
「ダダダァブーダァブー?」
な、なんだこの赤ん坊め。俺が喋るのにわざわざ被せやがって!腹立つ赤ん坊だぜ!!…
(おい)
「ダー」
…どうやら信じたくないがこの声は俺の声のようだ。ふぅー…いつの間に俺の声はこんなに可愛くなったんだ?そう言えば最後の最後に0歳からの、異世界ファイト。なんて言う無責任な言葉を聞いた気がする。…嘘だろ、マジでか。
とりあえず整理してみよう。
あの静かな白い空間での出来事は夢ではなくすべて現実で俺はこの世界へと転生してきた。俺は0歳。つまり、この世界の住人として生まれ変わったらしい。ちなみに周りの人が喋っている言葉は日本語ではないので多分日本語は通じないだろう。つまりこの世界の言語を覚えなければならない。そして一番深刻な問題。それは0歳なので体が思うように動かせない。それはどういうことかと言うと、このまだ何も知らない世界で情報を集めることが不可能ということだった。くっそ、どーする…情報どころか言葉も分からないんじゃ何もできないな…。そう思った時頭の中に声が響く。
『“ギフト“を使用しますか?』
…え?ギフトってあの貰ったギフト?使用しますか?ってことは今俺まだ何もない状態だったの!?これ、使用しないなんて選択肢ないんじゃ…。
『“ギフト”を使用しました。
・攻撃力上昇Lv.1
・防御力上昇Lv.1
・魔力量上昇Lv.1
・脳内言語統一
・スキル【火操作】を獲得しました。』
頭の中で響く声。その言葉を聞いた俺はまるでゲームの初心者パックみたいだな…なんて思っていた。
…は?なんだこれ。いや、まぁ攻撃力上昇とかはまだ分かるよ?0歳にはいらないと思うがな。脳内言語統一ってなんだ?後、スキルとかもあるのかよ…!俺の疑問はすぐ解消された。
『脳内言語統一を実行します。言語を“日本語”に設定しました。』
…日本語?今日本語って言ったか?脳内言語統一ってもしかして言葉通りの意味なのか?俺は周囲にいた美女たちの声に耳を傾ける。
「流石ザクス様とアメル様のご子息ですね!」
「あぁ、なんて可愛らしい…!」
…言葉が分かるぞ?やはりそういうことだったのか。すごいぞギフト。最高じゃないか。言語覚える必要はないということじゃないか。いや待て。聞く分には大丈夫だが喋るにはこの世界の言語じゃなきゃダメ。とかじゃないよな?今すぐ試せないのがもどかしい。とりあえずこれで周りの会話で状況が把握できるので良しとすることにした。
(ザクス様とアメル様ってのがこの世界の俺の親なのか。)
部屋の感じや周りの人が着ている服などを見ても家は中々裕福なのだろう。メイドのような服を着ている者がいるのでもしかすると結構な金持ちかもしれない。
「サーベルト様かわいいですねぇ〜」
俺の名前はサーベルトと言うのか。ふむ。俺がサーベルトとは違和感が凄いんだが…。だがそんな事は今はあまり気にならない。なぜなら俺の視界いっぱいに美女達のデカイ胸があるからだ。邪魔。なんて野暮なことは言わない。むしろパラダイスだ。とか思っているとフラグが立ったのだろうか。美女達が視界から消え今度はおっさん達が覗き込んできた。くっそ、俺のパラダイスが!どけっおっさん!美女カムバアック!!!ーー
「ふむ。さすが陛下のご子息。凛々しい顔をしておる。生まれて間もなくなのに泣きすらしないとは…。」
俺を覗き込んでいたおっさんの内の一人がそう言葉を呟いた。え、陛下?もしかして俺ってどっかの王国の王子になっちゃった?これは来たんじゃないか。国の王子で英雄。うん。いい肩書きじゃないか。
「将来有望な魔王候補ですなぁ!」
…え?いや、え?魔王?も、もしかしてだけど王国の王子じゃなくて魔王の息子?陛下って魔王陛下!?
…望んでないぞこんなの。