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格の差を見せられた件

3日空いてしまいました!すいません!

俺達は捕まる前に王国を抜け出そうと出入り口まで来たのだがそこに10人くらいの魔族がいた。


あきらかに先程の追いかけてきた奴とは違うオーラなのでスルーしようとした。


「待て。そいつが竜種か?」


その集団の中で一番ゴツいやつが俺の前に立ち塞がりカンナを指差し聞いてきた。


もしかしてカンナ差し出したら普通に出れるんじゃない?なんて思いながらカンナをチラッと見た。


カンナに、いい度胸だな。的な目で睨まれた。い、いや流石にそんなことはしないよ!思ってみただけだよ!!


「何か用ですか?」


なるべく当たり障りのないようにキュートな笑顔を見せる。


「ーッチ。餓鬼には用はねぇ。」


舌打ちした!?俺の笑顔に舌打ちとかマジないんですけどお?…なんかギャルみたいになっちゃった。


「そうですか。じゃあカンナ。行こうか?」


俺はカンナの手を引き、王都の外に出ようとした。少しカンナが嬉しそうな顔をしていたのだが気のせいだろう。


「逃すと思ってんのかァ?俺達のボスがそこにいる竜種を狙ってたんだよ。だから大人しく渡せや。」


ゴツい奴の隣にいた細い奴が、効果音をつけるとしたらシュッって感じのスピードで再び俺の出口を塞いできた。


「ーー邪魔。」


気づいていないのか、細い奴は俺の足を踏んでいた。普通に痛かった。小指だけ踏まれるやつね?


俺は細いやつに蹴りを入れ、その流れでゴツい奴の顔面にパンチを当てる。子供とはいえ元魔王の力だ。痛くないはずがない。


「ッゴブファッ!?」


なんて言うちょっと残念な声を出して吹っ飛んで行った。俺的にはホームランだ。とは言ってもゴツい方は5mくらいしか飛んでないけど…。


「餓鬼ッ!!俺達に手を出してタダで済むと思ってん…ッブヒェッ!!」


敵モブが喋っている途中に吹っ飛んだ。いや俺じゃないぞ?せめて最後まで話は聞いてやる派だからな。


「「「あ、アニキィ!」」」


あ〜…面倒くさいパターンのやつかな。

俺は無言で出てきたアニキとやらをぶん殴った。


「「「あっ!アニキィィッ!?」」」


なんか、冒頭でオーラが違うとか言って褒めてあげたのに既に雑魚臭漂わせてるんだけど…。


「ククク…フハハハハッ!実に楽しい見世物だったぞ!」


俺の背後、いやカンナの背後から声が聞こえた。振り向くと金髪オールバックの20後半から30前半くらいの見た目の男が立っていた。


気配に気づかなかった…。


魔法レベルだけではなく剣術レベルもレベルを上げている俺が気配に気づかない相手だと?


カンナを見ると俺と同じような反応をしていた。やはり気づいてなかったのか…。カンナですら気づかない相手となるとちょっとヤバくないか…?


「おい、餓鬼。この竜種を俺にくれないか?」

「断りますと言ったら?」

「もちろん殺すさ。」


なに当たり前みたいに言っちゃってんの!?カンナを渡さないと殺すって…。渡しちゃおうかなって気になってきそうだ。まあ?渡さないんだけどね。


「殺されるのはイヤですね!」


俺は高速で金髪オールバックとの距離を詰めた。そしてそのまま腰の剣を抜き首をめがけて切る。ーーだがそれを片手で止められた。


「俺に切りかかってくるとはな。面白い餓鬼だぜ!フハハハ!だが今は邪魔だ。」


笑っていた顔がパッと無表情に変わり、その瞬間金髪オールバックの右手がブレた。


「ぐぁあ…ッ」


金髪オールバックが俺の腹にパンチを入れてきたのだ。しかも目に見えない速さで4回も。


格が違うって言葉はよく聞くけど実際体験してみるとマジ地獄だな…。一瞬息止まったぞ。


カンナを見ると、どうしたらいいのかと混乱しているようだった。俺的には参戦して欲しいんだけどな。


え?逃げろ!とかそんなカッコいい事言えるわけないじゃないか。


「おお?餓鬼、俺の拳を受けて立つとは…やるじゃねえか!実に気に入ったぞ。名乗れ。」

「ッー…人に名乗る時は自分からって習いませんでした?」


少なくとも俺は日本で習った。…漫画でな。


「ククク。この状況でまだ減らず口を叩くか!だが餓鬼の言うことも一理あるな。俺の名はベルゼルトだ。覚えておけ。」

「サーベルトです。覚えていてください。」


俺と金髪オールバックもといベルゼルトはニヤッと笑う。

俺は怖くて顔が歪んでるだけだけどな。


俺は剣を握り直し魔法を発動しようとした時にベルゼルトは何かを思い出したかのように顔を上げた。


「サーベルト…もしかしてザクス・ルシフェルの息子か!ククク、フハハハハ!!これは楽しんでもいられなくなったなぁ!」


何だこいつもザクスを知っているのか。とは言え楽しんではいられないとはどう言う事なのだろうか?


俺的にはまったく楽しくないんだけど…。


「ククッ…お前がザクス・ルシフェルの息子だとはなぁ…。殺す理由としては十分すぎる…!」


恐ろしい事を口にしたベルゼルトをガン見していたのだが見失った。いつの間にか後ろにいたので俺は左足を軸に回転し右手で殴ろうとした。


だがそれは当たらなかった。


「…?…あれ?」


無かったのだ。俺の腕が。


「俺の腕…がない…?…」


俺は自分の右腕がなくなっている事に気付いた。それを認識した瞬間激痛が走った。いや、激痛なんてもんじゃない。


「あ、あ…あぁあ!腕がっ!腕がぁ!あぁあ!!!クソっぁ!!!癒しの雨(ヒーリングレイン)!!ああああああぁぁあ!!!」

「ベルっ!!!」


気を取り直したのかカンナが走ってきて俺を回復する。勿論腕は生えてこなかった。


「おいおい、そんな程度で騒ぐなよ。俺をガッカリさせないでくれ…」


そう言いながらベルゼルトは俺に何かを投げてきた。…俺の腕だった。


「ぁあ…ッテメエエェ!!」


日本にいた頃では考えられない事だった。肋骨はまぁ折れるかもしれない。だが腕が切り落とされる何てことはそうそう無いはずだった。


「クソがァア!!封印の氷地獄(コキュートス)ッ!!」


今回の封印の氷地獄(コキュートス)

は前回のように手加減なしで発動した。

大気が凍え、大地が凍る。


「やるじゃねえか…。」


ベルゼルトはニヤニヤしながら俺に言った。俺が全力で発動した技を。避けることは不可能なはずの技を。その男は避けていた。


「流石に無傷は無理だったか…。」


ベルゼルトの左肘の先が無かった。凍った瞬間に自分で切断したのだろうか。


「おい餓鬼!いや、サーベルト。ここ数百年で俺に傷を負わせたのはザクスとお前だけだ。やるじゃねえか。」


うるせえと叫びたかったのだが右手があった場所が痛すぎて言葉が出なかった。


「ッく…はは、お前も俺と同じ、片手になったな…?」


ざまぁみろ!と言った感じに少しすっきりしていたのだがやはり痛いものは痛い。


「竜種の方はもういい。興が逸れた。サーベルト。俺はお前に興味を持った。いつか俺をもう一度楽しませに来い。」

「右腕なしじゃ…無理だろーが…。」


カンナに回復魔法をかけてもらっているから叫ばずにいられるが相当痛い。泣きそうってか泣いてるもんな。


「そーか。餓鬼にゃ片手はキツイか…。楽しませてくれた選別だ。くれてやる。」


ベルゼルトが俺の右手があった付け根を狙って何かを投げてきた。ソレが当たりピカッと光った。


「ソレは俺が初めて負けた相手の腕だ。大事に使え。まあ壊れることは無いと思うがな。ククク…」


何というか普通の手だった。てか俺の手じゃね?いや、俺の手だろ。


「…俺…僕の手ですよね?」

「フハハハハ!普通に喋れよ。ソイツはお前の手だがお前の手じゃない。言うなればお前の手を改造したものだな!俺を楽しませるにはもってこいの代物だ。」


何?人の手勝手に千切って勝手に改造したの?やりたい放題だな、おい!


「僕。いや、俺はお前に敵う気がしないんだが?俺は弱いからな。」


大分落ち着いていた。むしろ先ほどまでの事は全て夢だった。と言われた方がしっくりくるほど手も痛くない。


「ククク…八天魔列一位の俺に傷をつけたんだ。サーベルト、お前は強いぜ。フハハハハ!!将来が楽しみだ!お前を殺す時を楽しみにしている。」


最後にニヤッと笑ってベルゼルトの周りから出てきた闇に包まれ消えた。


結局いつか殺されるの?俺。ただの暇つぶし目的で生かされたってことかよ。まあいい。次に戦う時は、俺が殺される時じゃない。


俺が殺す時だ…!


「…あ、カンナ。もう回復魔法いいよ。ありがとう」


未だにずっと泣きながら回復魔法を俺の腕にかけていたカンナを忘れていた。


「もう、大丈夫なのね?」


少し目がウルウルしている。何というか犬に見られる的な感じの。


「大丈夫だよ、心配かけた。」


俺はポスッとカンナの頭に手を置き笑った。


よく考えてみるとあって間もないんだからココまで頑張る必要は無かったんじゃないか…。


まぁカンナが実はお姉さん気取ってるけど涙脆いというのがわかっただけでもいいか。


俺はまだ少し泣いているカンナを横見で見ながらフッと笑った。



あーあ。右手治ってよかったぁあ!!







本業が忙しくなりつつあるので二日に一度ペースが案外キツイかもですね…。ストック制度取り入れた方が良さげでしょうか…。


誤字、言い回しなどがおかしい場所がありましたら教えていただけるとありがたいですm(。_。)m

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