竜種にハッタリは効かない件
強い眠気に襲われながら書いていたので、誤字や言い回しがおかしい所もあるかと思います…。ん?っと思った場所はご指摘いただければ幸いです…:(´◦ω◦ ` ):
俺は瞬間移動を使い、羽が生えたカンナを追いかけた。例のお股のフワッと感が俺を襲う。効果は抜群だ。
俺は瞬間移動できたのに、カンナはもう爆発があった場所に辿り着いていた。
速すぎだろ…。
俺たちの目先には竜を襲う魔族がいた。その顔はまさにナメクジそっくりだった。
コレ、塩かけたら死ぬかな…。なんて思ったけど顔が溶け出すのを想像したら吐きそうだったのでその考えは止めた。
俺の眼の前にいたカンナがおもむろに手を突き出した。そこに魔力が溜まっていく。
ーあ、これヤバイやつだ。渓谷ごと消えるぞ…!
俺はそう察知し、ナメクジを回復したばかりの魔力を使い、王級魔法でぶっ飛ばす。その様子を見たカンナはスッと腕を下げこちらを見た。
ふぅーっ。渓谷の平和は俺が救った。
「うふふ、どうして邪魔をしたのぉ?」
獲物を取られたカンナは俺に殺気を向けてきた。鳥肌がたった。
「カンナ、僕…俺に殺気を向けないでくれ…。」
まだ僕が言い慣れてしまっている俺はカンナにそう頼んだ。
「あら。無意識でつい〜…」
無意識かよっ!!と突っ込むこともできない俺はニコニコと笑顔を向けるだけで精一杯だった。だって超怖いんだもん。
「あなた、私と勝負しないぃ?」
「…はい?」
一瞬何を言われたのかわからなかった。だが俺の賢い頭は30秒くらいかけてやっと理解した。え?遅いって?やかましい。
「うふふ。一撃のみの勝負よ。竜種に伝わる伝統の勝負方法。自分の持つ最高の技を同時に相手にぶつけるの。それで立ってた方が勝ち。ってことね。」
随分とシンプルな勝負方法だがソレはあれか?さっきの技を俺の肉体をもって受けろってことか?死ぬよ俺。
「よ、避けるのは…?」
「うふ。当然無しよ」
「この勝負を受けないという選択は…」
「無いわ。」
涙目になりながら聞いた質問に無情にも即答で答えてくるカンナ。誰か!タスケテ。
「…俺の技を食らって生きていられるとでも?」
ここは俺の特技、ハッタリでやり過ごすしかない。
「あらぁ?自信満々じゃない。もしかして私の心配をしてくれてたのぉ?嬉しいわね。でも問題無いわぁ。」
俺のハッタリは全く効かずに終わった…。そして俺はカンナに言われるがままに勝負が始まった。
「準備はいいかしらぁ?」
カンナは俺のほうに手を向け構えている。このままでは真面目に死んじゃうんですけどぉ!?目から汗が出てきた。泣いてないからな?汗だからな?
…いや、待て。カンナの魔法を消しちゃえば良くないか?これが俺の最大魔法だとでも言えば…!
「あぁ!準備オーケーだ!」
どこからか勇気が湧いてきた。避けずとも発動させなければ問題ないのだ!
「では行くわよぉ?5。4。3。2。1」
カンナが魔力を込めた瞬間を狙い魔法解除を使う。
ーー魔法解除!!
そこで終われば良かったものの俺は調子に乗って魔法を発動してしまった。
ー爆ぜし雷鳴!
爆音と共にカンナは煙に包まれ、渓谷の崖が崩れ落ちる。
「あ。やっちゃった…」
い、いやでも一撃だよな?うん。問題ないはず!
「ふ。うふふふ。面白いわ。流石ね、ベル。」
土煙の中からカンナの声が聞こえた。おそらく重症だろう。と思っていたのだが、やはり思惑は外れる。カンナは無傷だった。多少服が汚れているくらいだろうか?
「…無傷か。」
「あら?無傷じゃないわぁ。ほら。服が傷んじゃったわ。」
肉体には傷がないんだろ?それを無傷って言うんだよ…
「それよりベル。私の魔法をどうやって消したのぉ?」
「魔法解除という魔法で消しました。」
隠す必要はないだろうと思い普通に教えた。
「へぇ…。珍しい魔法を知っているのねえ。まぁいいわ。私の負けだわぁ。」
何かせこい気もしない事もないが俺はカンナに勝てた?のだ。勝てばいいのだよ勝てば!何ていう台詞が頭をよぎったが口に出すのはやめておいた。
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カンナ・ヴァースは竜種の上位種であった。そんな彼女が久しぶりに面白いと思える相手に会った。それは背も小さい少年だった。
その少年、ベルとの会話中に竜狩りをしようとする魔族がやってきた。カンナはベルを置いてその場に向かった。
渓谷の奥だったので子供がこれる場所ではなかったのだ。そう思い置いていったのだ。爆発のあった現場に着くと魔族が竜狩りを始めていた。
カンナは即排除しようと竜種の上位種のみが使える魔法を発動しようとした。自分の仲間を手にかける不当の輩を許すつもりはなかった。
魔法を発動すると言ったところで背後からその魔族に魔法が発動された。邪魔をされたと思い振り向くと先程まで喋っていたベルだった。
普通の少年がこれるはずもない場所に平然と来ていたベルを見てカンナは思った。
ーこの子。ただの子供じゃないわねぇ。
こんな小さい子が竜狩りをしようとしている魔族を一撃で倒したのだ。普通なわけがない。
そう考えた時カンナはこの少年の力を試したくなった。どれ程の力があるかを見たかったのだ。勿論本気を出すつもりはない。適当に死なない程度の魔法を発動するだけのつもりだった。
それがどうだ。いざ始まって魔法を発動しようとした時にはカンナが作り出した魔法陣は消えていた。そしてその直後に少年の魔法が直撃した。
とっさに防御魔法を使ってしまったがそのままくらっていれば死んでいたかもしれない。そのレベルの魔法だった。
こんな少年が…。私とは格が違う。そうカンナは思ってしまった。竜種の上位種であり魔物に恐れられる存在であるカンナが。
そして土煙が消える頃にカンナは心に決めた。この少年に付き従おう、と。
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土煙から無傷ででてきたカンナは何を思ったのか俺について行くといいだした。
もしかして俺の魔法の衝撃でどこかに頭をぶつけたんじゃ…という心配をしていた。
「えっと。本当についてくるんですか?」
「えぇ。もちろんよ。」
俺とカンナはそんな会話をしながらラッセルに戻っていた。
「おう、坊や!竜種は見つかったかい?」
家畜の肉屋のオッサンが俺を見つけ声をかけてきた。
「えぇ、まぁ…」
俺はチラリと後ろに歩くカンナを見た。
オッサンも俺の後ろに目を向けるがまさかこの美女が竜種とは思ってもいないだろう。
「ん?こっちの姉ちゃんは?」
竜種探しに出かけた俺が美女と帰ってきたらそりゃ疑問だろう。
「えっと…こちらは竜種のカンナです。」
「カンナ・ヴァースよぉ。」
妖艶の笑みでオッサンに挨拶をするカンナ。
「…はぁっ!?りゅ…っ、竜種…この姉ちゃんがかい!?」
オッサン…その反応は正しいよ。俺も内心そんな感じだったから…。
そのオッサンの声は思ったよりでかく、隣の店のオッサンに聞こえたのか騒ぎ出しまた隣。そしてさらに隣とどんどん騒ぎがデカくなった。
そんなにレアなの?竜種って…。
これ以上騒動になると面倒なことが起きそうなので俺はカンナの手を引き市街地を急いで出た。
市街地を出てから思ったが何故俺はカンナを連れてきたのだろうか…。
ちょっと後悔しながら王国を出ようと門へ向かって歩いていた。
「…あら?何か来るわよ?」
カンナの声に我に帰りキョロキョロと辺りを見渡した。よく見ると先程の市街地の方から4、5人の男が追いかけてきていた。
俺はさっきの騒動に怒って追いかけられていると思ったので、カンナを置いて行くくらいの猛ダッシュで逃げた。
もちろんカンナもその速度についてきたけど…。
ついにGWが終わってしまいますね…。
早いものです。流石に明日から通常運転の2日に1回くらいの投稿になりそうです…。
ではまた次の投稿でm(。_。)m