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第35話 熱きハーレムファンタジー


子供の奴隷を救出する為に、貴族の屋敷の地下牢に潜入した俺。

潜入した俺の側には、オッサンと呼ばれる中年の男達が付いてきた。

オッサンと呼ばれる男達の目的は、この地下牢の奥に居る子供を助ける事。

その為にエレンさんが行う奴隷救出劇に乱入して無理やり俺に付いてきた。

何故こんな事になったのか分からない俺と巻き込まれただけのエレンさん。

六者六様の重いが交差するオッサンファンタジー  



         ――続く――



==============================================



「ぐふぅ……すまない……どうやら俺はここまでのようだ……」


『クロード様、しっかりしてください!』


「頑張ってください、クロードさん!」


《あきらめたらそこで試合終了だよ、蔵人!》



違う……違うんだ……俺が目指していたのは……

こんな……オッサンハーレムじゃない……

三人はそう言うが……俺は物凄く帰りたい……



「あぁ……頭の中に七つの星が見える……」


『クロード様……?』


「どうしたのですか? クロードさん」


《大丈夫、七つならまだ平気だよ》



「おいおいどうした? 兄ちゃん」


「何か辛い事があったのかい? 坊や」


「私で良ければいつでも相談にのるよ? 少年」


「ふん…そんな軟弱な根性では強くなれんぞ? 小僧」



俺が四つん這いになって、頭をガックリしていると。

見回りの私兵ぽい奴らを、素手でなぎ倒して。

オッサンABCDがそれぞれ戻って来た――


囚われていた中年の男達を救出したわけなのだが……

その中年のオッサン達の存在が熱苦しい。

俺を中心にして、常に四人で囲んでいるからだ……


「なんでもないです……」


俺は心が挫けそうになったが。

囚われている子供のために何とか耐えた――


「それでエレンさん、開けられない扉ってのは……この先にあるんですか?」


「はい、そうです。強力な結界で閉じられていて……私では、開ける事ができませんでした」


オッサン達を俺が救出して、私兵と戦っている時に。

一人奥へ行ったエレンさんが戻って来て。

自分ではどうしても開けられない扉があると言ってきた。


ちなみに、エレンさんの側には三人の小さな子供達が居る。

奥の牢屋で、エレンさんが救出してきた子たちだ。

見た所獣人の奴隷っぽい、頭にケモノ耳があるからな。


服がボロボロで、鞭で叩かれたような痕があって痛々しかったが。

俺とエレンさんがなんとか回復魔法でその傷を治した。

あまり衰弱していなかったのは良かったが……

俺とオッサン達を見ると、怖くなったのかずっと無口だった。



まぁオッサンらの存在がデカ過ぎて、子供達の存在が霞んでいるんだがな。

っと……ここか。


「んー……これはどうやって開ければいいんだ……」


地下牢の奥の壁に、不釣り合いな分厚い石で出来た扉の前で悩む。

その扉の中心に、魔法陣みたいな円形の幾何学模様が描かれていて。

見たところ鍵穴が全く見つからない。


『これは……封印魔法ですかね……』


『封印か……』


ソフィアの言うとおり、封印魔法で閉じられた扉だとすれば……

何でこんな所にあるんだろうな……

ただの貴族の屋敷にしてはおかしくないか……


「クロードさんでも、無理ですか?」


「少し考えてみますので、待ってください」


「はい」


俺は黒斗に相談するために、エレンさんに待って貰うことにした。


《黒斗、これは俺でも開けられるのか?》


《うーん……出来なくはないとは思うのだけど……君の魔法は想像力も大事だけど、理解力も大切なんだ》


《理解力……?》


《うん……君、解呪とかした事ある?》


《ないなぁ……そんな機会なかったからな》


《試したことがない事を創造するのは、時間がかかると思うんだ》


《なるほどな……》


確かに俺が魔法を創る時は、ルナを見て参考にしていた気がする。

封印の解呪なんて、やった事がないしな……



「まぁ……物は試しか」


俺が解呪をしてみようと扉に触ろうとしたら……



「ちょっとまて、兄ちゃん」


オッサンAに止められた。


「え……?」


「兄ちゃんがどうやって開けるのかは知らないが……半端な方法で開けるのに失敗すると、反発魔法が発動するぞ」


「反発魔法?」


「あぁ、俺の仲間がコレを開けようとしたが失敗してな」


「僕もあれは辛かったね」


「私の魔法で失敗しちゃったのですよ」


「ワシもあれには苦労した…」


オッサンABCDが、それぞれの感想を言ってくる。


「なにが起きたんですか?」


「開けるのを失敗して反発魔法を食らったんだが……丸一日動けない程の状態になってな……それでここの奴らに捕まったんだ、武器も取り上げられた」


それは嫌な魔法だな……


「というか、オッサンらは何でここに来たんだ?」


あ……

馴れ馴れしくオッサンとか言っちまった……


「俺達は仕事で来たんだ。ここの貴族の野郎が、趣味で獣人奴隷を集めていたんだが……この国では愛玩奴隷の取引は禁止されているだろ。それを助けるために、ギルドの仕事で来たんだ」


俺の言葉を気にする事なく、オッサンは説明をしてくれた。


「ギルドで仕事って……取引が禁止されてるのに、この国は動かないんですか?」


「腐っても貴族だし、噂程度じゃ国は中々動かないな」


めんどくさいな……色々問題が起こるからか……

やっと国が重い腰を動かしても、手遅れでしたじゃ話にならない。


「私達も、ギルドで仕事を受けてきました。依頼人は、この子達の世話をしていたメイドさんです」


エレンさんがそう言って子供達を見ていた。


「そうか、エルフのお嬢ちゃんも同じ仕事を受けたのか」


「はい」


しかしそうなると……


「こんな所で、もたもたしてるわけには行かないな」


同じ仕事で来たのなら、相手も警戒してるはずだし……

何故か見張りはザルだったが、見回りは来たしな。


「ギルバートさんが陽動する手筈なので……少しは時間が稼げます」


「ギルさんが?」


「はい、屋敷で適当に暴れると言ってました」


「暴れるって……」


『大胆ですね……』


《前から思ってたけど……愉快な人だよね》


全くだ。


「ほう、剣聖が来てるのか」


「それは、頼もしいね」


「なら、私達もそちらへ向かいますか」


「そうだな…ワシも暴れるとするか」


オッサンらが熱いやる気を出している。

ギルさんは、剣聖と呼ばれている冒険者のAランカーだ。

本人は、もう冒険者じゃないと言っていたけどな。


「兄ちゃんここは任せた、俺達は剣聖の援護に向かう」


「いいんですか?」


「あぁ、外は俺達に任せとけ」


「これでも、結構強いんだよ」


「君が、隷属の手錠を外してくれたからね」


「好きに暴れられる…」


隷属……そんなアイテムだったのか。


オッサン達は熱苦しい笑顔を見せながら、外に出て行った。



==============================================



「そういえば……オッサン達の名前、聞いていなかったな」


《蔵人、集中して!》


《わ、悪い……》


封印の扉を解呪しながら、余計なことを喋っていたら……

黒斗に注意された――


ホント難しいなこれ……


俺は扉に手をかざしながら、十五分ぐらいずっとうなっていた。


「お! これでいけるのか……」


頭の中に言葉が浮かんだ――


「ディスペル・クリエイト!」


解呪の魔法を唱えると扉に掛かっていた魔法っぽいのが消えた。

俺は重い扉を開けながら――


すごく今更なんだが……

封印されてるのを開けるのは、まずくないか……

誰もツッコまなかったが、普通に開けようとしてたよな……



扉を開けて、狭い部屋に入ると――

太い尻尾を生やした、小さな女の子が倒れていた。


「なんだ……女の子……?」


「まさか……」


エレンさんが驚愕している。



「竜人……?」『竜族……?』《竜人族……?》


「え……?」




三人が、それぞれの言葉を口にした――

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