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第22話 魔王?

「ん……ん……」


「ルナ、おはよう」


俺の横で目を覚ましたルナに声をかける。


「ん……クロ……おはよう」


ルナが目を触りながら挨拶をしてくる。

起きたばかりで、目がしょぼしょぼしているようだ。


『おはようございます、ルナ』


ソフィアの挨拶に、目を擦るのをやめたルナがビックリしている。


「む……ぉ……おはよぅ……ソフィ……」


よしよし、ちゃんと挨拶を返せたな……


俺は首をポリポリ掻きながら、父親みたいな心境になっていた。


「さてと、朝飯を貰いに行くか」


貰いに行っても良いんだよな。

そんな事を考えているとルナが――


「ん……わかった……ふ……ぁ……」


返事をしながら欠伸をしたその時――

口からツゥーっと少量の血を垂らした。


『え……?』



「ルナ!? なんだそれ?」


「ん……?」


本人は気づいていないが、血が口から顎を伝って垂れている。


「口を切ったのか? 血が出てるぞ……」


「ん……あんまりおいしくない……」


おいおい何を言っているんだ……


そんな事を思いながら、心配でルナの口を見せてもらう。


「口を開けて見せてみろ」


「ん……ぁぁあ」


ルナが可愛い声で口を開ける。


ん~……犬歯かこれ? やたら尖っているが……


ここから血が垂れているけど、別に口は切っていないな。


「口は切れていないが、痛みはないのか?」


「べつに……痛くない」


「そうか……」


『…………』


杞憂だったみたいだな。


「まぁ……何とも無いなら、朝飯を貰いに行くか」


「ん……」


俺達は朝食を貰いに行くことにした。



==============================================



「おはよう……クロード、ルナ」


1階に降りてきた俺達にアリスが挨拶をしてくる。

俺達に与えられた部屋は2階にある。



「あぁ、おはようアリス」


「ん……おはよぅ」


「すぐに朝食ができるから待ってて。軽いものでいいわよね?」


「あぁ……かまわない、ありがとう」



何か新婚生活を送ってる夫みたいだな……


なんて感じに、自惚れながら首を掻いて席で待っていると――

アリスが朝食を持ってきてくれた。


ベーコンみたいな食べ物と、パンにスープだった。


「はい、どうぞ」


「いただきます」


「ん……ぃたぁきまぁ……」


俺達は朝食を開始した。

何かルナがやたらかわいい……

欠伸をしながら俺の真似をしていた。



朝食を食べながらアリスに聞く。


「ギルさんとエレンさんは居ないのか」


「兄さんは、朝早くから仕事に行ったわよ」


ほんとに、何の仕事をしているんだろうな。

最初は冒険者かと思ってたんだが……


「そうか、エレンさんは?」


「エレンは教会へお祈り」


「は……?」


「見た目通り、信心深いのよ」


あー確かにそんな感じがするな。

杖じゃなく弓を持っていたが……

聖職者みたいな格好の法衣着ていた。


下はミニスカートだったけどな!

ふともも? 素晴らしかったぜ……


いかん……思考が飛んだ……



「この世界のことはまだよく分からないが……他の種族が人間の教会でお祈りしても、何とも無いのか? エレンさんはエルフ……だよな?」


街でケモノミミの獣人? とかエルフは見かけたが。

種族名が合っているのか、自信がなかった。


「えぇ、エレンはエルフよ。確かに、教会に普通の人間以外の種族が行くのは珍しいけど……犯罪者でもない限り、何も言われないと思うわ」


結構寛大なんだな……

なんて思っていると――



「獣人以外はね」


「え……?」


やっぱりそっち系は差別があるのか。

獣人奴隷とか居そうだよな、異世界は……



「獣人は獣人の神を信仰しているからね。獣人達も、自分から行かないと思うわよ」


あぁ……そういう事か。



「なるほどな……獣人は奴隷とかにされて、虐げられている……とか思ったよ」


「奴隷は居るわよ」


「居るのか……」


「虐げられているのかどうかは知らないけど……戦闘奴隷や労働奴隷、種族に関係なく居るわ」


「そうなのか……」


「借金を重ねて返せなくなった人が、労働奴隷に身を落として……奴隷として鉱山で働くとか……よくある話しよ」


俺が思っていた事と微妙に違うが、そんなもんか。


「ふーん……」


俺は生返事をしながら首筋をポリポリ掻いていた。

なぜかやたら首が痒い――



「ちょっとちょっとクロード」


「うん? なんだ?」


アリスが慌てて俺を呼ぶ。



「首掻きすぎ、血が出てるわよ!」


「うぇ……何か妙に痒くてな……」


「まったく……ちょっと見せなさい」


そう言いながら俺のそばに来たアリスは。

俺の首をそっと触り……



「なによこれ……」


「え……?」


「引っ掻き傷も酷いけど、噛まれたような痕があるわよ……」


かまれた?虫にでも咬まれたのかな。


「そうか、虫にでもやられたのかな……」


なんて口にすると、アリスが――


「虫じゃなく、人の歯形みたいなんだけど……」


なんてことを言った。



「え……歯形?」


「誰に噛まれたのよ……」



アリスがそう言うが、俺には身に覚えがない。

そんな事を考えているとソフィアが……


『ルナ……』


ルナの名前を呼んだ。


「うん? ルナ?」


ルナがどうかしたのか……

と思いながら視線を向ける。


「え……?」


「あぐ……ん……?」


アリスがルナの方を見て。

ルナはパンを咥えながらこっちを見ていた。



「ルナがどうした?ソフィア」


ソフィアのつぶやきを聞いて、俺はソフィアに質問をした。


『クロード様……先程の事を思い出して下さい』


「さっきの事……?」


何だろう……なにかあったっけ……

考えていると、ソフィアが――


『ルナが起きてきた時の事です……』


ルナが起きた時?

俺は思い出そうと……


確か、目を擦りながらソフィアの挨拶にびっくりして。ちゃんと挨拶を返してたよな……

俺もそれを見ながら嬉しくなって。


そういえば欠伸をした時、血が口から垂れてたんだよな。

口の中を見た時、切れてなかったから安心したが……


「ん? 血……歯形……? まさかソフィア……ルナが?」


『わかりませんが、その可能性があります……』




おいおい、どういうことだよ……

ルナって魔王じゃなかったのか?

俺の頭は混乱していた――

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