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第14話 サティナの神殿


街の北に在る教会に来ていた俺達は、教会の司祭をつかまえて話を聞いていた。


「神聖な場所ですか……」


司祭はこちらを見ながら思案している。


「そう……ですねぇ……教会に来て頂いて、そんな事を聞かれるのは此方としても辛いですが」


「あ……すみません……」


普通に考えればそうだ……

教会に来て御祈りもせずに、此処よりも神聖な場所はありませんか? 何て聞くのはどうかしている。


「いえいえ、御献金をして頂いたので……謝ることはないのですよ」


話を聞く前に俺はお布施をしていた。


「ここの他となると……サティナの神殿くらいでしょうか」


「神殿ですか……?」


「はい……遥か昔に魔王を倒した勇者が建てた、神殿だと言われております」


「勇者ですか?」


「えぇ……勇者がです」


司祭はなぜか勇者を強調していた。



魔王を倒した勇者が神殿を建てるって変な話だな。

ちなみに、うちの魔王様は普通に教会の中まで入ってきている。

外で待って貰おうとしたら、別に何とも無いと言って付いてきた。


「場所を教えてもらえますか?」


「よろしいですよ」



司祭に地図を見せてもらい俺達は街を出てその場所に向かった。




==============================================




神殿についた俺達は、あまりの惨状に驚いていた。


「何だこれ……」


『ひどいですね……』


「ぼろぼろ……」


そう、神殿の柱がボロボロで外から見える範囲でも

神殿の中は瓦礫が散乱していた。


「勇者が建てた場所にしては酷い惨状だよな……」


『魔物の襲撃にでも、遭ったのでしょうか』


「どうだろうな……取り敢えず中に入るか」


「ん……」


俺達は瓦礫を避けながら中に入って行った。



「誰も居ないんだが……神聖な場所にしてはおかしくないか」


完全に人から見捨てられた様な有様だった。


「普通、魔王を倒した勇者なら信仰対象になりそうなもんだが。ソフィア、この場所はどうなんだ?」


神殿の奥に在る、壊れた何かの巨大な石像の前でソフィアに質問をした。


『申し訳ありません、この場所は何も感じられません……』


そう言ったソフィアの後にルナが――


「増悪の怨念を感じる……」


とんでもない事を言った。


「は? 怨念?」


やばくないかそれ……


「うん……この下に強い波動を感じる」


ルナが自分の足元を見ながらつぶやいた。

やめてくれ、実は俺怖がりなんだ。

うん、すごく帰りたい。


「ソフィアはなぜ、何も感じないんだ?」


『何故でしょう……アリスさんの刀の御力は感じられたのですが……』


前にそんな事を言っていたな……

何て考えていると、突然ルナが……



「ウィンドスラッシャー・クリエイション!」


と叫び、手から風の刃みたいなのを出して石像をバラバラにブッ壊した。


「なにを……?」


ルナに何をしているのかと聞こうとしたら。

石像の在った場所の床がゴゴゴゴという音を鳴らして、入り口みたいなのが出て来た。


「地下か……?」


入り口を見たら、そこには地下に降りていく階段があった。


「よし帰るか」


「え、降りないの?」


『え、行かないのですか?』


「え、帰ろうぜ?」


俺の言葉に疑問をぶつけてくる二人に、俺は再び帰ることを提案した。


「だってさ、無茶苦茶嫌な予感がする。物凄く行きたくないんだ」


「クロ……強くならないとダメだ」


『このまま放置するのもどうかと思うのですが……』


「無理無理、俺は幽霊とかそっち系苦手だから」


言ってて情けないと思うが、俺は超嫌だった。


「ワタシが居るから……大丈夫だ」


「それでも嫌だ!」


「むう……」


ルナはそう言うが俺は行きたくない。

マジで幽霊とか大っ嫌いなんだ!


『クロード様、隠されていた入り口を開けたのなら……放置するのは駄目だと思われます』


「埋めればいい!」


「無理だ……封印を壊したから」


「ぐふぅ……」


封印を壊したのはルナじゃないか……


「くそっ、行くしか無いのか……」


俺が嫌々ながら決意しようとしていると。


『あ、クロード様』


「ん……?」


『アリスさんをお誘いになっては、いかがでしょうか』


「アリス?」


『はい、あの方が持つ刀があればかなり有利になるかと』


なるほど、確か退魔の力があるとか言ってたな……


「イヤだけどクロの為に呼んでくる……」


ルナがそう言いながらスタスタと神殿から出て行った。


「え……俺が待機するの?」


超こぇぇぇんだけど……




ルナを止めようとしたが間に合わず。

仕方ないから神殿の隅でガタガタと震えながら、ルナの帰りを待つことにした――

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