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取り巻きメモリーズ(仮)  作者: しろすけ
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クラスの子視点

 お久し振りの更新です。楽しんでもらえれば幸いです。

 僕のクラスには誰にも話しかけることができない人が二人いる。一人は橘壱君。女の子は大体視線を向けるだけで顔を赤らめてしまうくらい顔が整っている。それに日本にとどまらず世界屈指の企業である橘ホールディングスの跡取りだ。おまけに頭もよく、運動もできる。そんな完璧ともいえる橘君のお近づきになろうと入学当初は特に女の子が声を掛けていたがそのたびに橘君はうるさい、というだけで誰とも話そうとはしなかった。特にしつこかった女の子に対してはクラス全員が固まるくらいの冷たい声で、

「うるさいと言っているのが分からないのか。人の話が聞けないほど頭がないのか。」

といいその女の子を泣かせてしまった。橘君は泣いている女の子に視線も向けずに次の授業の準備を始めていた。先生が入ってくるまでクラスには女の子のすすり泣く声といつもより一層重い空気が漂い誰も話す人はいなかった。それ以来橘君に積極的に話しかける勇者は現れていない。

 二人目は浪山琴さんだ。彼女は橘君ほどではないが日本屈指の浪山財閥のお嬢様である。頭もよく、運動もできる。顔も整っていて、まるで橘君を女の子にしたような人だ。当然入学当初に話しかけに行った人も多かったが、誰がいつ話しかけても、

「今話す気分ではないので。」

と言って誰とも話そうとはしなかった。綺麗な黒髪に大きい猫目、雪のような白さの肌を持っている浪山さんは日本人形のような印象をうける。その雰囲気と対応により橘君同様に話しかける人はいなくなった。

 二人の席は隣なのに話している姿は殆ど見たことが無い。クラスの空気が重い中で二人は大体本を読んだり授業の準備をしている。その本も英語やドイツ語、フランス語などの本が多い。とてもじゃないが僕が読めるようなものではない。そんな二人が静かに本を読んでいるのにうるさくは出来ないとクラスはいつも静かである。そして、二人の近くの席の人は休み時間になると二人の邪魔をしないように席を立つ。休み時間のたびに二人の周りには誰もいない空間ができ、他のクラスの話声が聞こえてくるくらい静かになるのだ。この異様ともいえる空間を先生方も困ったように二人に視線を送ることがあるのだが、二人共大体視線は本に向いているので気が付かない。この空気がまだあと一年続くのかと思うとまだ学校に入学してから一か月しか経っていないのに先が思いやられてしまった。

 そんな僕は製菓会社の社長を父に持つこの学校からしたら普通な生徒である。姉が二人いることで多少他の子よりは相手の感情に敏感ではあるが、ただの小学一年生である。

 短い!!!頑張るとか毎回言っている割に一話一話が短くなってしまう。

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