空白の一年
前回までの評価ありがとうございます
久々の編集でこの回の話は大分かわりました。
時間があるときにでも暇潰しにどうぞ。
いきなり想定もしていなかった状況に頭が追いつかない。回らない頭を必死に動かす。止まった息を吐き出してみると少し落ち着いた。この間固まってから一秒弱。そして、幸運なことに橘壱はこちらを見ていない。私はそのまま声を掛けずに前を向いた。大丈夫、大丈夫だ。例え想定外のことであっても、私だって今日まで何もしてこなかったわけではない。
父と母に白百合学園を推してみて直ぐ私が白百合学園に入学するのは難しいことだと分かった。勿論万が一、億が一の可能性を考えて親への説得は最後まで続けたがその可能性だけにかかるほど私も甘ちゃんではない。華宮学院に入学した際の対応についてもしっかりと考えてきたのだ。
正直浅葱直美の取り巻きであることしか主に描かれていない私は漫画の中では詳しい設定や性格は描かれていない。精々・・・
「貴女橘さんにまとわりついて迷惑だと思わないの?」
「そうよ、自分の身分を弁えなさい。」
このシーンの後ろのようなセリフが毎話一度あればいい方である。セリフよりも姿だけ浅葱直美の斜め後ろに描かれていることの方が多い役であった。勿論、そんな微妙な役の小さい頃の描写があるはずもなく、いつから浅葱直美の取り巻きになっていたかなど分からない。下手にいろんな人と関わってしまうとどこで浅葱直美に繋がるか分からない。結果誰にも関わらなければいいのではないか、と少々ぶっ飛んだ結論になった。
しかし、下手に誰にも関わらなければ最悪いじめにあうことも考えられる。正直私の家を考えたらそんなことしてくる人はいないだろうが、上には上がいる。所詮上の中程度の家柄では上の家系には逆らえない。こんな子供の時からこんなこと考えなくてはならないのは中々世知辛い世の中である。そんな、婆臭い考えしか浮かばない頭で考えてみたが、いじめられないためには一人ぼっちでいても可哀想に見えないことが条件であるだろう。つまり、一匹狼だ。一匹狼の私的のイメージは、クールで卒なく何でもこなすかっこいい人である。・・・レベル高くないか?自分んで考えておいてなんだが、一人で何事も難なくこなせるとかムリゲーだろう。
しかし最終的に、一年に及ぶハイスペック改造計画が実施されることになった。