prologue1
ついにやってしまいました。初投稿です。
文才はありませんが楽しく書いていきます。
目の前には大きな学園が聳え立っいる。正直都会の真ん中にこんなに大きな土地を使うこと自体理解できない。しかし、私はそんな事考えている余裕はない。今私こと浪山琴葉は頭の中の膨大な情報を処理することに必死だった。
浪山琴葉六歳。日本の大企業の一つであり、名前を聞けば大抵の人が知っている浪山コーポレーションの社長令嬢。それなりに歴史のある会社であるため子供にも高い教養を付ける。当然、それなりの学校での教育が無くてはならない。大人の社会は子供にも影響するのだ。今回母親と来たのは今年受験する華宮学園を見に来たのだ。中に入る訳ではなく、外から見ただけだが、母親が私に受験する学校を見せたかったらしい。しかし、華宮学園を見た瞬間怒涛の勢いで情報が頭の中を駆け巡った。その一度に処理できないほどの膨大な情報量によって体験したことのない頭痛が襲い掛かるに思わずしゃがみこんでしまった私に母親が心配して声がかけてくれているが数分動くことができなかった。
「琴葉大丈夫なの?」
「大丈夫です。心配かけました。」
数分後にこりと品のいい笑顔で答えるが正直頭の中は全然大丈夫ではない。何故なら私はこの数分で自分の前世なるものを思い出したからである。
「華の都から」は私の前世で人気少女漫画であった。お金持ち学校に入学した庶民の主人公、杜若郁美が学園の皇帝と呼ばれる橘壱と恋に落ちるというベタな漫画である。ここまでなのにも関わらず人気漫画となったのは、あらすじだけ見ればありきたりな内容だがそのありきたりな話を綺麗にまとめているからだ。そして、ベタと呼ばれる物は、当然一定の支持者がどの時代にもいるからそう呼ばれているのだ。そして、お約束通り当然簡単にうまくいくことはなく所詮悪役と呼ばれる立場の浅葱直美が話をややこしく盛り上げる。
なぜ、いきなり漫画の話をしたかというとここがその「華の都から」の世界だからであり、同時に今思い出したことだからである。前世の自分の名前や家族構成、さらには最後の記憶は思い出せないのに、自分は前世生きて「華の都から」を読んでいたことや内容は事細かには思い出せるのだ。同時に一般常識や勉強内容、庶民の感覚などこの世界に共通する内容は思い出した。まぁ、前世の自分についてもっと思い出していたら情報量はさっきよりも格段に多くなって頭痛は半端なくなっていただろうから正直助かったといえる。そして思い出したことのなかで最も重要なのは、私は所詮悪役と呼ばれる浅葱直美の取り巻きの一人なのだ。・・・微妙ではないか?気が付いたら自分が悪役になってた、という話はよく生前読んでいたが、自分が取り巻きって立場が微妙すぎて何とも言えない。漫画は最後浅葱の嫌がらせを乗り越えて二人が婚約発表をしてめでたしとなる。その際浅葱は橘によって退学されられてしまう。最後の方に杜若を誘拐したり、襲わせようとしたりと度が過ぎたため橘の怒りを買ってしまったためである。また、浅葱の親が経営している財閥の脱税行為などの悪事もばれ家も大損害を受ける。流石に財閥となると世界的に大きな被害が出るため潰れることはさせなかったが大きな痛手となったはずだ。この何とも言えない現実味があるところも人気だった。
あれ、これまずくないか?ここまで思い出していた時にふと思ったのだが、漫画では私は最後まで浅葱の隣にいた様子が漫画で描かれていた。浅葱は退学となったが、私がその後どうなったかまでは書かれていない。しかし、全校に私が浅葱の隣にいたことは知られている。例え退学にならなくてもこれはまずい。家いまで被害がいくことが簡単に想像できる。ここまで考えて私の顔は青を通り過ぎて白くなっていた。隣にいた母親が私を見て慌てて車に戻る。そのまま運転手さんに急いで家に帰るよう頼んでいる隣で私はただ震えていた。
(最近の高校生怖い。)
短いです。
申し訳ないです。
これから頑張ります。(多分)