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狐の花嫁  作者: 篠田葉子
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側室の嫁入りの経緯

2月中にアップ予定が・・・申し訳ありません。

今回もめっちゃ短いです。

しかも展開はあまり進んでません。

遅筆ですみません。

りんは「おのれ家康」と言っていたが、直接三成に側室をと働きかけることができるほどの接点が家康にはない。

しかし側室を持つことになったのに関し、全くの無関係化というとそうでもない。

家康が自分の配下に対し「三成殿のような部下を持つ秀吉殿は幸せだろうな」と言ったのが発端になっているからだ。

けれどそれは「それに比べてうちの部下ときたら」という嫌味だったのだが、その部分は理解せず、三成を欲しがっているということだけ理解した結果、三成と接点のある本多忠勝経由で今回の運びとなったのだ。

また忠勝はこの時代の一般的な考え方の持ち主だったので、先日の忍城攻めの一件に対する慰めや褒美的な意味合いも含む、スパイと懐柔の一挙両得を狙っての側室を勧めることを提案した。

しかしそれを直接三成に提案すると背後の家康の存在に気付かれ、警戒されるかもしれないということで、提案自体は別の者がするように誘導した。

そのため直接的には家康とそこまでつながりがない人物が側室を勧めてきた。ということになったわけだ。




秀吉が台頭してきたのと同時にその子飼いの三成も知られるようになってきた。

仕事を生きがいとしているような有能ではあるが堅物で融通が利かないつまらない男。というのが一般的な見解であったが、その有能さは誰もが認めるところであった。

秀吉に対して見せる忠誠心や仕事の処理能力などから(性格がもう少し柔らかければ)こんな部下が欲しいと言われるほどであった。

そんな有能な三成が納める領地に興味を持つ者は多かった。

他の領地よりも収穫量が多かったり不作や病気になりにくかったり、子どもの死亡率が若干ではあるものの低かったり、雑兵でさえも妙に体格が良かったり、事務処理能力が高かったりと、外に知られてもいい情報だと判断されたり、知られないようにすることが難しかったりするようなものでこれなのだから、実際のところはもっと何かあるのだろうと思われたからだ。


しかしそれを探るのは容易ではなかった。

領民や家中の結束が固かったというのもあるが、石田家のすごさというのは目で見てそれでわかるものではないものばかりだったからだ。


例えば、畑に何かを撒いている。

しかしそれが病気にならないようにするためだとか収穫量を増やすためだとか想像はできてもそれだけでは何の意味もないのである。

それをいつどのタイミングでどのように撒けば効果が出るのか。

石田家では大福帳使っていないようだがその理由は?利点は?

それがわからないと昔からのやり方はそう簡単には変えられない。

説明をしてもらえるほど深く入り込まねば、忍び込めたとしても何の成果もあげられないと領地に潜入した者たちはすぐに理解した。


それもあって、三成に側室を!というのは様々な思惑が絡んでいた。


懐柔とスパイの両方の役目を託された側室が一般の武家の娘でないことは自明の理である。

当然ながらいわゆるくのいちが側室として送り込まれることとなった。

そして娘一人が送り込まれるわけではない。

お付きの者たちを引き連れての輿入れとなった。




平和な世の中を喜ぶ一方で、それを望まない者たちもいた。

作物ができにくい土地は全国であちこちにある。

そういった場所には忍びの里の伝説があることが多い。

忍びと言っても甲賀や伊賀などとは違い、傭兵や工作員の真似事に近いが、それでもそういった仕事で生活をしている者たちだった。

その時々で違う相手についていた。

けれど平和になるとそういった仕事は少なくなる。

ましてやよほど大きな勢力を持つ者かお抱えの者でなければ尚更だ。


そんなどこにでもある小さな忍びの里のうちの一つに声がかけられた。

そこが選ばれたのは特に意図があってのものというわけではなかった。

どこでもよかったのだ。

「この先平和になってしまえばそなたらは仕事がなくなり、暮らしていくことすら困難になるだろう。

もしこの仕事を成功させたら取り立ててやろう」という言葉が効力を持つのであれば。


若く美しく、蠱惑的な肉体を持つ娘はそういった仕事をすることになることを知っていた。

だから里のためになるのであればとその仕事を受け入れた。

それがどんな結果を招くことになるのか知らずに。





「まぁ何を考えてかは容易に想像はつきますが、最初から破たんしていると思いますがねぇ。

奥方様がどんな方かを知らなかったのはまぁ仕方がないにしろ、それがなくともあの三成様が女に篭絡されるとはとてもじゃないけど思えませんよ」


側室が来ることになったという話を聞いて、左近は呆れた様子を隠しもせずそう言った。

それには皆同意だ。


「まぁ確かに真面目なヤツとか程一度女に溺れたら酷いらしいけどな」

「あぁ・・・真面目かどうかは知らないが、ある意味ではそういう人いたなぁ」

「あぁ、あの人――」

「その人の場合は奥方も対外だから」


とあるヤンデレな武将の姿が脳裏に浮かんだが、アレは特殊な例だとして一同は頭を切り替えた。


「どんな人が来るんだろうな?」

「三成様『嫁とは暴走するもの』って悟りを開いてらっしゃったからな~。

まだ間者の方が普通の人のような気がする」

「間者である時点で普通じゃねぇよ」


ツッコミを入れつつも、話に聞く秀吉様を愛してやまない嫁たちの姿に、誰も否定しきれなかった。


「でもいっそ間者だったり秀吉様に近付くための足掛かりにするために送り込まれてきた人の方がいいかもしれないな。

奥方様と三成様の寵を争って戦いが繰り広げられたらって想像するだけで胃が・・・」

「止めろ!怖いこと言うな!!」

「それが一番ヤバいだろうが!!」

「女の戦いは怖いんだよ!」

「戦場の方がマシだろ、それ!!!」



家臣たちもまた、まだ見ぬ側室の姿に怯え、警戒していた。


側室を三成さんと会わせようとすると体調不良とパソコンの不調が襲い掛かってくるあたり、未だにりんさんは側室の存在を受け入れてないようです・・・

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