僕とバカⅣ
今日は少し前にやったテストが返ってくるらしい。
まぁ今回のテストは自信がある方だから楽しみではある。
「社会のテストを返す。取りに来い」
みんなぞろぞろとテストを取りに行く。
「はい」
「どうも」
さて、俺は何点だったんだろうかな。
「96点か…」
「うぅ…速斗ぉ」
このバカみたいな声は…
「どうした祐也。テストどうだったんだ?」
「ふふ…それを俺に聞くか?」
何かコイツ気持ち悪い。
「ごめん。聞いちゃいけないような点数だったとは…」
「いや、別に聞いちゃいけないような点数ではないけどな。つか気持ち悪いってなんだよ」
マジなんだよコイツ。
つかさらっと心読んだよなコイツ。
「じゃあどうだったんだよテスト。」
「58点だ!」
やっぱりコイツバカだ。
「お前人のことバカバカ言うなよ」
「言ってねぇよ!」
コイツ普通に心読んでるし。
「おいおい。どうしたんだお前ら」
あ、コイツは
「香也じゃないか。テストどうだったんだ?」
「ああ、俺か。俺は24点だ!」
ダメだ。
コイツらダメだ。
その点数を自信満々に言えるようじゃダメだ。
そして先生が大きな声で―
「よし、これでテスト返しを終わりにする。できなかった所は各自復習しとけよ」
復習か。
ダルいな。
「あと、速斗と祐也と香也は職員室に来い」
え、俺何したっけ?
「「やべぇよ。俺何したっけ」」
あ、隣にも同じこと思ってる奴いたわ。
そして職員室…
「とうとう来てしまったな…」
祐弥はゲームのやり過ぎだと思う。
「そう、だなっ…」
香也もノリノリやん。
「いや、何でもいいから中入ろうぜ?」
「いやー、ひくわー」
「全く、ひくわ…」
え、何だコイツら。
バカでも見るような目で俺を見やがって。
「まぁ入るか」
「早く入れよ」
そして先生の前。
「お前歴史の問題のここ、何て答えた?」
社会の問題用紙を指差しならが先生が言う。
「あ、そこは確か…『魔王復活の最大呪文』ですね」
ちなみにここの問題は
薩摩藩の西郷や公家の岩倉具視らは、朝廷を動かして()を発した。
()の中を埋めなさい。
って問題だ。
わかる人にはわかると思うが中学の問題だ。
「お前なんだぁ?魔王が最大呪文で復活するって意味わかんねぇんだよ!」
怒るとこはそこじゃないはずだ。
「先生!言ってることがおかしいですよ?」
珍しく祐也がまともなことを言った―
「魔王は最大呪文で呼び出される可能性だってあるじゃないですか!」
―わけじゃなかった。
すいません。
勘違いしてすいません。
「そ、そうか…。そういう可能性も秘めていたのか…」
先生が感動している。
俺がおかしいのかって思ってきた。
「次、香也。ここ、何て答えた?」
また問題用紙を指差しながら言った。
「そこは『玉結び』って答えました」
ふむ、いつからか社会には家庭科も関係してきていたのか。
この問題は
1895年4月に()が結ばれました。
()を埋めなさい。
という問題だ。
「お前なんだ…。玉結びしちゃうのか!?」
「はい、玉結びしちゃいます」
何だこの会話。
「そうか!それならいい!」
いいのか?!
玉結びしちゃっていいのか?!
全く玉結び関係ないはずだよ?!
「最後に速斗…」
「はい」
「お前は…お前は…」
「はい…」
何なんだ。
俺は何かとてつもないミスを犯したのか?
「お前は学年1位の成績だった!これからもその調子で勉強に励むように!」
―心配して損だった。
職員室を出て教室に戻りながら祐也と香也の解答を見せてもらった。
そして思った。
もっと注意するとこあったよな…って。
珍しく長いですね…