エールを送る
あの子は部活一筋だった。
一生懸命に打ち込んで、プロに憧れて、
高みを目指して一直線。
仲間内で進路の話題が出ると、あの子は決まっていつも、
「私はやっぱりプロ目指したい」
なんて言ってた。
普段通りの顔で、でも本気で言ってた。
みんなも私も嬉しくなって、無責任にテンション上がって、
「きっとなれるよ」って応援した。
それからあの子は本当に結果を出して、
賞まで取って、留学していった。
このまま本当にプロになっちゃうのかも。
あそこまでの熱量があるのは本当にすごい。
私には真似できない。
ふらふらしてるだけの自分と比べて、
思わず落ち込みそうになる。
でも、ああいう人がいて、
それを見守る私みたいな人がいて、
それで良いと思う。
あの子の頑張りは、応援する人、
羨む人がいるからもっと輝く。
そんな風に考えると、自分では何もしてないくせに
誇らしくなってしまう。
私もあの子の物語の登場人物になれているのかも。
そう思うと、ちょっと嬉しい。
今はもう毎日顔を合わせられるクラスメイトではないけど、
一緒に笑ってバカやってたあの時間で、
私達はあの子の人生の一部になれたのかな。
だったら嬉しい。
こんなふうに自慢する私ってずるいな。
でも、自慢したいよ。本当にすごいもの。
あの子の物語に少しだけ乗っからせてもらって、
私も自分なりの生き方に自信を持てるようにする。




