まずは、物語が始まる前に。
はじめまして。いつも別のペンネームでムーンで書いています。
なろうに投稿するの初めてです。
40話前後、スマホでポチポチとマイペースに投稿していく予定です。
よろしくお願い致します、
私、安寧理沙、18歳。
終電さえない夜更けのこと(草木も眠る丑三つ時って感じ)。
ド社畜の私はボロ自転車でボロアパートに帰った。
今日は心身共にボロボロすぎて、唯一の趣味であり、気晴らしである、ネット小説の更新もできそうにない。
こんな夜更けにボロアパートと二セット揃ったら、幽霊でも出たほうがまだ驚かなかったかもしれない。
粗末な玄関のドアを開けると、一間(ワンルームって呼べる部屋じゃないの)の部屋の中にいたのは、カワウソ、だった。
ベルベットのチョッキにたっぷりレースのクラヴァットを身につけた、貴族みたいなカワウソ。
カワウソっていったら、あのカワウソなんだけど。
それが小指をたてて。
私のガラクタ市で買った一個20円のマグカップで紅茶を飲んでいた。
…………この奇妙極まりない光景が。
「恋愛キャンセル界隈」のど真ん中にいると自認している私が。
自分でも全く知らない間に。
キャンセル不可な命がけの大恋愛に巻き込まれていたという。
ちょっと理解不能な三日間の幕開けなのだった。
お読みくださりありがとうございました!