表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/93

新入生 その③

「ゲーム、されてたんですか?」

「え?」

 

 表情をあまり変えないまま、炭原さんが俺に顔を向けた。


「モニターがゲーム画面のままでしたから……」

「ああ、うん。コンピュータ研究部って言っても、俺と牛山がやってるのはゲームばっかりだ」

「もしかして炭原さんはプログラム関係に興味があったのかな? じゃあそのパソコン、好きなものを使って構わないよ。少し型は古いけどね」

「いえ、ちょっと質問しただけです。私も別にパソコンが得意なわけじゃないので」

「なるほど、興味が湧いて来たよ。炭原さんはどうしてウチの見学を?」

「数日前からなんとなくこの部室棟を見学していたんですけど、この部の雰囲気が良さそうだったので」


 雰囲気が良さそう?


 まあ、確かに楽しいけど……と、部室内を見回してみる。

 

 薄汚れた絨毯、埃の積もったブラインド、そしてボディが日焼けしたパソコンにときどき点滅する蛍光灯。


 少なくとも女子高生が好きこのんで入って来たくなるような雰囲気ではなさそうに感じるが、まあ、その辺りの合う合わないは人それぞれ。俺が不審に思う必要はないだろう。


「……炭原さん、やりたいゲームとかある?」


 俺が訊くと、炭原さんはモニター台の脇に並んだ数台のゲーム機を眺め、言った。


「最近のゲーム機もあるんですね」

「え? ああ、言われてみれば」

「ここってインターネット環境あるんですっけ?」

「コンピュータ―研究部だからな。あると思うけど……なあ、牛山。ここってネット繋がってるの?」

「当たり前じゃないか。オンライン対戦でもやるのかい?」

「FPS、最近ハマってるんです。こっちの新しい機種、貸してもらえますか?」

「いいよな、牛山」

「ああ、もちろん」


 炭原さんはモニター台の脇に置いてあったゲーム機の電源を入れ、モニターの入力を切り替えると、コントローラー片手に再びソファに座った。


 タイトル選択画面から、最近流行りのバトルロワイヤル系のFSPゲームを選択する。


「へー、これなら俺も知ってるよ」

「又野先輩もやったことあるんですか?」

「いや、やったことはないんだけど」

「プレイ動画は見たことある、みたいな感じですか」

「そうそう」


 このゲームは3人一組でチームを組み、フィールドに落ちている武器を拾って対戦相手を倒し、数十名のプレイヤーの中で最後まで生き残るというものだ。


 炭原さんは慣れた手つきでキャラを選択し、マッチを開始する。


読んでいただきありがとうございます!


「続きが気になる!」と思っていただけたら、後書き下部の評価欄の☆を☆☆☆☆☆から★★★★★にしていただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*:・゜✧*:・゜✧☆評価、ブックマークでの応援、よろしくお願いします!! *:・゜✧*:・゜✧
↓↓↓ちなみに新連載です↓↓↓

『お前のように怠け者で醜い女は必要ない』と婚約破棄されたので、これからは辺境の王子様をお支えすることにいたします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ