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新入生 その①


「認めてくれたようで嬉しいよ。じゃあ、第二ラウンドと行こうか」

「ちょっと待ってくれ、その前にキャラチェンジをだね」

「おっと、俺に対して有利なキャラに変えようったってそうは問屋が卸さないぜ。続行だよ」

「……面白い。付け焼き刃のハメ技が何度も通用すると思ったら間違いだということを教えてあげよう」


 第二ラウンドが開始される。


 牛山は、俺の投げ技を警戒してかあまり距離を詰めてこない。


「そう言えばあの喫茶店の人気はどうなんだ?」

「おかげさまで好調だよ。というか、君も先週行ったばかりだろ?」


 そうだった。


 この一週間色々なことがありすぎて、匂宮と二人であの喫茶店へ行ったのが遠い昔のような気がしていた。


 未だゲーム画面は膠着状態。


 牛山の間合いに入らないように、俺も迂闊に近づくことができない。


「そんなことより包帯取れたんだね。傷の回復は順調みたいじゃないか」

「ああ、まあね。元々そこまで深い傷でもなかったし」

「快気祝いをしなければならないね」

「匂宮が来るようになったらな。あいつもここの部員だし」

「そうだったね。悩ましいところだよ。彼女には休息が必要と分かっていても、学級委員や部長の立場からは学校へ来て欲しいわけだからね」

「部員と言えば、欠員はどうなるんだ? このままだと一人足りずに廃部になっちゃうんだろ、このコンピューター研究部は」


 牛山の動きが固まる。

 そのタイミングで俺は相手にキャラを接近させ、再び投げ技を決めた。


 一気に壁際まで押しこみ、得意の下段弱攻撃で敵の体力を減らしていく。


「ひ、卑怯な! 僕の動揺を誘うとは!」

「悪いな、こうでもしなきゃ勝てそうになかったからな!」

「しかし君の攻撃は既に見切っているんだよ!」


 攻撃と攻撃の合間を縫って、牛山はキャラを上へジャンプさせた。


 そしてそのまま背後を取られ、華麗な投げを決められる。


「な、何ぃーっ!?」

「そのハメ技は昔から使われている手でね。既に対策も講じられているのさ」

「まさか―――わざと見逃していたのか!?」

「強者たるもの、相手の全力を受けきってこそ――ということだよ」 


 今度は逆に俺が何もできなくなる番だった。


 牛山のキャラが放つ弱攻撃が次々とヒットし、俺の体力ゲージは一気にゼロになった。



読んでいただきありがとうございます!


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『お前のように怠け者で醜い女は必要ない』と婚約破棄されたので、これからは辺境の王子様をお支えすることにいたします。
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