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【完結】冤罪で高校を退学させられた俺、大富豪の美少女令嬢に拾われ溺愛生活が幕を開ける。  作者: 抑止旗ベル
第二部「私たちは世界を革命するしかないでしょう」

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そして学校へ・・・。 その④


「えー、新しくこの学校へ転校してきた又野さわる君だ。又野くん、何か挨拶を」


 俺のクラスの担任は、スーツ姿の女教師だった。


 挨拶を促され、俺は口を開いた。


「あのー、初めまして。又野さわるです。色々あってこの学校に転入することになりました。仲良くしてもらえると嬉しいです」


 よし、当たり障りのない挨拶だ。


 こういうときに一発ギャグとかを挟むと、間違いなく取り返しのつかないことになる。


 今度こそ俺は、目立たない、過度に嫌われない、トラブルに巻き込まれない平穏な学校生活を送るんだ。


 間違っても痴漢の疑いを掛けたりされないような――まあ、あれは大彌が特殊過ぎただけか。あんな女、普通はいないはずだ。俺の常識が正しければ。


 クラスの人たちがまばらに拍手をする。


 ……よし。


 多くは望まない。せめて心穏やかな日々を過ごすことができますように。


 教室の右後方にいた匂宮と目が合った。


 俺を安心させようとしたのか、彼女は俺に優しく微笑みかけた。


「よし、では又野、空いている席に――」


 このパターンはあれだな。恐らく匂宮の席の隣になるパターンだな。漫画で昔読んだことがある―――。


「ああ、牛山の隣が空いているな。男子同士、仲良くしてくれ」

「……え?」


 匂宮の斜め前に座る男子の隣が、確かに空いていた。


 なるほどな、そっちのパターンか。


 俺は言われた通り、空いていた席に座った。


 隣に座っていたのは分厚い眼鏡をかけた黒髪の、覇気のない顔をした男子生徒だった。


 いかにも暗そうな人だなあ。仲良くできるだろうか。


 そんなことを考えていると、牛山君は片手を挙げ、


「やあ、又野くん。僕は牛山。困ったことがあれば何でも言ってよ。お互いに助け合っていこう」


 さ―――爽やかだ―――ッ!?


 人は見た目で判断してはいけないとはまさにこのこと。


「あ、ああ、ありがとう牛山君」

「牛山と呼んでくれ。呼び捨てで構わないよ」

「じゃあ……よろしく、牛山」

「こちらこそ、又野君」

「では朝のホームルームを終わる。学級委員長、号令を」


 担任の声に牛山が立ち上がる。


「全員、起立」


 こいつ学級委員長だったの―――!?


 人は見かけで判断してはいけないとはまさにこのこと(二回目)。


「……なあ、牛山も実家がお金持ちだったりするのか?」


 着席したあと、俺は牛山に尋ねてみた。


「いや何、父が牛丼屋を経営しているだけさ。牛丼にチーズをトッピングしたものは知らないかい?」

「ああ、チーズ牛丼か。俺も食べたことあるよ」

「それを商品化したのが父なんだ。SNS映えを意識したデザインで売ったら、それが若年層にヒットしてね。今はチーズ牛丼の専門店として全国展開中――ま、これは全部父の話だ。僕自身に何か功績があるわけじゃない。この学校には高校生ながら起業して成功を収めている人が何人もいるからね」

「そ、そうなのか」


 すごい学校だな……。


 就職とか困らなそうだな……。


「さて、一時間目は生物だったね。教室を移動しようか。又野くん、案内するよ」


 教科書を片手に牛山が颯爽と立ち上がる。


 俺もそれに続いて席を立った。





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↓↓↓ちなみに新連載です↓↓↓

『お前のように怠け者で醜い女は必要ない』と婚約破棄されたので、これからは辺境の王子様をお支えすることにいたします。
― 新着の感想 ―
[一言] これ、裏でお嬢様がどうして私の隣じゃないのよって学園側に問い詰めてそう。(笑)
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