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【完結】冤罪で高校を退学させられた俺、大富豪の美少女令嬢に拾われ溺愛生活が幕を開ける。  作者: 抑止旗ベル
第二部「私たちは世界を革命するしかないでしょう」

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そして学校へ・・・。 その②


 ここは黙って立ち去るのが無難だろう。


「……それじゃ、俺はこれで」

「待って」


 目のやり場に困ることも手伝い、そそくさと自室に引き返そうとした俺だったが、匂宮に呼び止められてしまった。


「又野くん、私ね、今日、久しぶりに学校に行って疲れたの」

「え、ああ……お疲れさま」

「だから着替えさせて?」

「……はい?」


 いや、クエスチョンマークにクエスチョンマークで返すのが失礼だということは分かっている。


 分かっているのだが。


「……え、どういう意味?」

「そのままの意味よ。私の着替えを手伝って、ということ」

「なんで?」

「疲れているから。もう指一本も動かせないくらいに」

「じゃ、じゃあ俺が麻里さん呼んでこようか?」

「私は――又野くんに頼んでいるの」


 そう言って、身体を前のめりに傾けグイっと顔を近づけてくる匂宮。


 その湖のように大きく澄んだ瞳が、俺にだけ向けられている。


 もはや逃げられるような雰囲気ではない。


「いやでも、さすがにそれはマズいっていうか……」

「私の着替えを覗いたのに? なんでもするって言ってくれたじゃない」

「手伝います」

 二つ返事で頷いた。


 そこを突かれると抵抗のしようがない。


 いいさ、これで少しでも罪滅ぼしになるのなら尽力するまでだ。


「それじゃあ、まず最初にブラウスのボタンを外してくれる?」

「まず最初に下を履いてくれ」


 話はそれからだ。


 今上も脱いだらもうただの下着姿になってしまう。


「先に下を? まあ、順番は又野くんに任せるけど……じゃあ、はい」


 言って、匂宮はクローゼットから白のロングスカートを取り出し、それを手渡す。


 俺に。


「まさか全部俺が……⁉」 

「肌寒いから早く着せてもらえる?」

「……はい」


 覚悟を決めよう。


 俺はスカートを受け取って匂宮の前にしゃがみ込む。


 もう脚線美がどうこう言っている場合じゃない。


 ブラウスが長いおかげでパンツがあまり見えていないのがせめてもの救いだ。

 心を無にして匂宮の両足にスカートを通し、そのまま引き上げる。


「又野くん、手際いいわね。もしかして誰かにやったことある?」

「ないよ」


 こんな経験が何度もあってたまるか。


 それに――本当の難関はむしろここから。


「じゃ、今度はブラウスをお願い」


 第2ラウンド開幕。匂宮は胸を軽く突き出す。


 やるしかない。うまくやってみせろよ俺。


 一度深呼吸して気持ちを整え、一番下のボタンに指をかける。



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『お前のように怠け者で醜い女は必要ない』と婚約破棄されたので、これからは辺境の王子様をお支えすることにいたします。
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