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小動物の相棒と歩む、土魔術師の冒険譚  作者: 風間 義介
4章、遺跡探求は帝国からの試練?
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22、

 盗み出された超古代文明の宝物。

 その宝物の使い道や盗み出した犯人の思惑を探るための調査を近衛騎士や軍ではなく、冒険者に行わせようとした皇帝の意向を聞いたアミアたちは、完全に納得することはできないまでも、理解することはできた。

 だが、理由は理解できたてもこれはやはり国家事業であることに変わりはない。

 おまけに、秘密裏に行わなければならないという都合上、監視役くらいはいてしかるべきではないか。

 そのことをアミアが口にすると。


「それについてはすでに選抜している……宰相。彼をここに」

「はっ! レオニス! レオニス・ラインハルトをここに!!」


 皇帝に命じられ、宰相が声をあげる。

 すると、ハヤトたちの背後から一人の騎士が姿を現し、皇帝の前に跪く。

 収穫間近の小麦畑を思わせる金髪を短く整えている精悍な顔つきの青年だ。

 レオニスと呼ばれたその青年は、跪いたまま、口を開く。


「近衛騎士隊レオニス、参上いたしました」

「うむ。レオニス、すでに騎士団の間で話は聞いていたと思うが、彼らが今回の任務を任せることになる冒険者たちだ」

「お言葉ですが、陛下。やはり私は反対です」

「む?」


 突然のレオニスの言葉に、皇帝は眉を顰める。

 今回の調査任務については、上層部の会議で決定しており、覆すことができないことはレオニスも知っているはず。

 だというのに、レオニスはこうして反対意見を口にしている。

 よもや、会議の決定が行き届いていなかったのか。

 そう思い、皇帝は宰相に視線を巡らすが、宰相はその考えを否定するように首を左右に振る。


「ふむ……レオニス、すでにこのことは会議で決定しているはずだが、貴殿の意見を聞いておこう」

「では恐れながら」


 皇帝に発言の許可をもらい、レオニスは自分の意見を口にした。

 曰く、実力が申し分ないことは理解できるし納得もしているし、冒険者である以上、危険にも慣れていることはわかる。

 だが。


「実力や経験が伴っているとはいえ、冒険者も我々が守るべき市民。他国に無用な刺激を与えないように、という陛下のご配慮は理解できますが、やはり危険が伴う任務に市民を巻き込むなど」


 ひるむことなく、レオニスは反論を続けた。

 どうやら、彼自身、任務の内容というよりもその任務に冒険者とはいえ一般人を巻き込むことをよしとしていないようだ。

 それが騎士としての矜持ゆえなのか、それとも貴族であるための傲慢さゆえなのかまではわからないが、彼の声色から察するに前者の思いが強いのだろう。

 とはいえ。


「だが、殊と次第によっては官民の枠を超えた対応が必要となる。そのためにも、騎士団と同程度の実力を持つ冒険者にのみ、この任務を与えることで話が落ち着いたのだ。納得はしかねるだろうが、貴殿は貴殿に与えられた任を全うしてほしい」


 さすがに皇帝のその一言には折れたらしい。

 まだまだ物申したいという表情はしているが、その言葉は飲み込み、レオニスは頭を下げた。

 納得してくれたかどうかはともかくとして、ひとまず、レオニスが任務に協力することを承諾したところで、皇帝は話を先に進める。


「先ほども言った通り、今回、貴殿らが他国に此度のことを漏らさぬよう、目付け役として近衛騎士のレオニスを同行させる。貴殿らと同年代ではあるが、実力で近衛騎士団への入団試験を突破した実力者でもある。冒険者としての知識や経験はないが、貴殿らの足手まといになる、ということはないだろう」

「グラン帝国近衛騎士、レオニス・ラインハルトだ」


 皇帝の言葉に続き、レオニスは自身でハヤトたちにそう語る。

 言葉の端々に、本当は納得していないし、貴様らも信用できないと言いたいのだろうと思わせるものがあったが、任務に私情を挟むつもりはないらしく。


「個人として思うところはあるが、任務は任務だ。私情を挟むつもりはないから、そこは安心してくれ」


 と、告げてきた。

 どうやら、皇帝の言葉には従うが協力するつもりはない、と言うつもりはなかったらしい。

 レオニスの言葉が信頼できるかどうかはともかく、ハヤトたちにはもう一つ、解決しなければならない問題がある。


「陛下。近衛騎士を目付け役として同行させることはわかりました。しかし、超古代文明の遺跡を探すとなると、さすがにやみくもに世界をめぐるというわけにはまいりません」


 探し出すものが有史以前の文明であるため、遺跡の類が残っているとも限らない。

 アミアの故郷へ行けば、何かしらの手がかりがあるかもしれないが、霊獣がそう簡単に人間を自分たちの縄張りに入れてくれるとは限らない以上、アミアのコネクションを頼るということ以外の方法で調査を進める必要がある。


「ふむ、アミア殿はともかく、ほかの霊獣が人間を快く迎え入れてくれるとは限らない以上、こちらでも何かしらの手がかりを見つける必要がある、というわけだな」

「はい」

「ならば、学術院からの報告を待ってほしい。いま、歴史書や各地の考古学術的報告書を照らし合わせ、それらしい場所について、いくつか見当をつけてもらっている最中だ」

「では、まずはそれらの場所から探索に当たり、成果がなければアミアの故郷に協力を求めるという方針を取りたいのですが、よろしいでしょうか?」

「では、これにて謁見を終わる。貴殿らの活躍、期待しておるぞ」


 皇帝は一言、そう告げると宰相を伴いその場から立ち去っていく。

 謁見の間から皇帝と宰相が退出すると、ハヤトたちも待機していた騎士たちに促され、謁見の間から立ち去った。

 それから数日後。

 学術院からの報告書が送り届けられたことで、ハヤトたちは早速、帝都を出立する。

 だが、彼らは一度も帝都に戻らず、彼らの調査報告が肯定に届くまで、数か月と言う時間を要することとなることを、この時は帝都にいた誰も予測していなかった。

かなり中途半端な感はありますが、ひとまず、今話にてこの小説は完結とさせていただきます。

ひょっこり復活させる可能性もありますが……。

とはいえ、これまで楽しんでいただき、ありがとうございました。

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