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第067話 本当にいるのか?

 大きな広間に椅子が一つ。

 玉座に座っていたのは暗い闇を身にまとっていた魔王だった。


「エンラが死んだわ。使えないやつをよこしたわね?」


 ドライアドが影の中から現れ、無作法に魔王に近寄った。


「聞いている。

 倒したのは、暴食の王ギオニス、淫乱の姫騎士リリア、そして強欲の魔女フェリスだとな。

 禁忌の森か……」

「近畿の森よ。

 くそ、ニホンジンめ。あいつらが作った森だけが私たちでは支配できない」

「ドライアドが支配できない森。

 本当にあるのだな」

「屈辱だわ。森の支配者の私が支配できない森があるなんて」

「ニホンジンか。

 確かに古い文献にはいくつかそれらしい記述もあるが……」

「今もある数ある究極魔法の中で言語不明のものはそのニホンジンが作ったものよ。

 少なくともここ300年その不明言語は解明されていないわ

 読めるものがいたらそれこそ魔法の革命よ」

「まるでおとぎ話だな。

 本当にそんな者たちが存在するのか?」

「いるわ。

 少なくとも私は会ったことがあるからね。古タダスの森もそうよ。

 彼が言うところによると京都にある下賀茂の(ただす)の森を再現したらしいわ」

「聞いたことがないな」

「私もよ。

 でも、あいつの魔力はそれこそ異常だった。

 魔王、あなたを凌駕するほどね」


 魔王は小さく「楽しみだ」とつぶやいた。


「まぁ、いいわ。

 私は引き続き、古タダスの古き種族を駆逐するわ。

 あなたはオークとハイエルフを倒しておいてね」

「あぁ、所詮最後の生き残りだ。

 我が魔王軍で遊んでやる」

「せいぜい寝首をかかれないことね」


 ドライアドはそういうとまた陰に潜るように消えていった。



第一章 強欲の魔女編 終了

第二章 憤怒の猫編へ

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