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第034話 今度はちゃんと殺して

 大森林の奥。

 1人の男が目を覚ました。


「こ、ここは?

 俺様はどうなった?」


 見知らぬ風景に男は戸惑った。


「えー、エンラ君だっけ。

 あまり動かないでもらえると助かるな」

「誰だ! 貴様は!」


 エンラの目の前に緑色の守をした少年が現れた。


「僕の名前はフォレ。

 大森林のドライアドだよ」

「ドライアド……」


 エンラは状況が飲み込めず戸惑っていた。


「そそ、ここでは管理者だったり、裁定者とか呼ばれてるかな。

 まぁ、この森で一番偉いやつって思ってくれたらいい」

「そのドライアド風情が、俺様になんのようだ!」

「風情……?」


 エンラの言葉に、フォレの眉間にシワが寄った。


「君、自分がどうなったか覚えてないの?

 このまま、また土に還りたいならそう言ってくれればいいんだけど」


 その言葉にエンラはあの時の瞬間のことを思い出した。

 魔法陣ごとあのエルフに身体を斬られた。


「魔力を集めてやっと生き返したんだ。

 あまり生意気なこと言うとまた土に戻すヨ」


 フォレの言葉にエンラは黙り込んだ。


「そそ。それでいいんだ。

 もうちょっとで身体が完全に戻るからそれまでじっとしていてね」

「俺様を生き返してどうするつもりだ?」


 フォレはその言葉をきいてふふとおかしそうに笑った。


「ちょっと殺してほしい奴らがいるんだよ」

「それはあの二人のことか?」


 オークのギオニスとハイエルフのリリア。

 フォレの言葉にエンラは自然とあの二人を思い浮かべた。


「そそ。僕にもいろいろ事情があるんだ。

 前よりももっと強くしてあげるし、もっといろんな魔法を教えてあげる」


 フォレはエンラを見て「だから」と言葉をつなげた。


「今度はちゃんと殺してくれよ」

「願ってないことだ。

 俺様も、あいつらを殺したいと思っていたところだ」

「やっぱり、君を選んで正解だったよ」


 フォレはそう言うと姿を消した。


「身体が完全に治ったら。また来てあげるからそこでしばらく休んでおいて」


 木々のざわめきのように、フォレの言葉だけがエンラの上から降り注いだ。



>> 第035話 露出部分が少ない

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