第42話
今日は土曜日!
高飛車と2人で1日中お仕事だよ!
―テンションあげようと思ったけどやっぱり無理だわ。
今日も相変わらず、高飛車の召し使いをしてるよ。
なんかこう嫌々働かされることを人間の世界では社畜っていうみたいだよね?
わたしも立派な社畜の仲間入りかな?
いつも通り掃除を終えて一息ついたときだった。
「そういえば、高橋さんが4月より新人ウィザードが来るって言ってたじゃない?」
「―そんな話いつしてましたか?」
「あら、この前の鈴木さんの件を話しているときに一緒に話していたじゃない?」
あのときかぁ―。
正直いうと、あのときは怒りで我を忘れて話全然聞いてなかったんだよなぁ―。
「ウィザードっていうけどどんな子なのかしら?イケメンかしら?力持ちかしら?」
「どうなんでしょうね?」
「すごく楽しみだわぁ。明るく元気なウィザードだと嬉しいわぁ。」
―うるせぇ!
いつも以上にうるせぇ!!!
いつもは存在もうるさかったけど、今日に限っては言動もうるさいわ!
ってか、ウィザードが来るってだけでこんなテンション上がる奴だったの、高飛車は?
そのテンションでいい加減仕事手伝ってくれないかな?
でも、その新人ウィザードってどんな子だろう?
ヤクザみたいに怖いウィザードかな?
それとも、男の娘みたいなウィザードかな?
まぁどちらにせよ、高飛車みたいな性格はまっぴらごめんだなぁ―。
「ねぇ佐藤さんはどんなウィザードだと思う?」
「うーん―。高橋さんはそのウィザードについて何も知らないんですかね?」
「知ってるかもしれないけど教えてくれないのよ。で、どんなウィザードだと思う?」
「そうですねぇ―。」
うるせぇ!!!
ほんとマジで黙ってくれないかな?
誰かわたしと立場代わってくれないかな?
「すいませーん―。」
ふと、1階から声が聞こえてきた。
やっば!
2人とも2階でおしゃべりしてたらダメじゃん!
「わたし、お客様対応してきますね!」
「よろしく~。」
やっと高飛車から離れることが出来た。
今来てくれたお客様よ、感謝いたします。
わたしは清々しい笑顔でお客様に尋ねた。
「こんにちは。今日は何をお買い求めですか?」




