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第3話

 一通り挨拶を終えて、早速ウィッチとしてのお仕事が始まった。


「じゃあ、まずは素材の保管位置を覚えてもらおうか。これをとってもらえる?」


 そう言って、田中さんが注文表を手渡してくれる。


 そこに書かれていたのは吸血コウモリの羽のたった1つ。


 こんなの余裕余裕と思って棚の前に立ったのもつかの間。


 視界にたくさんの引き出しが入ってくるもののお目当ての物が見つからない。

 

 右を見ても左を見ても上を見ても下を見ても見つからない。

 

 探しても探しても見つからない。


 その間にも他の先輩魔法使いたちはさっさと素材を取り終えてしまう。


「あの、田中さん―。この素材の場所は―。」

「そこに棚割表があるでしょ?自分で探しな。」


 わたしは急いで棚割表に目を通した。


 しかし、焦っているせいか求めている素材の名前が見つからない。


 見つけてもそれがどこの引き出しに入っているか分からない。


 やっとのことで吸血コウモリの羽を見つけ出し、田中さんに手渡す。

 

 たった1つの素材を取るのにどれだけの時間が過ぎたのだろう―。


 そんなことを考える暇も与えないかのように次から次へと注文表を手渡される。


「それは丸呑みイグアナの胃袋。欲しいのは心臓。」

「吸血コウモリの羽の数が違う。」

「臓器が集まってる引き出しで目玉探しても意味ないでしょ。」


 ―明らかに先輩魔法使いたちはイライラしている。


 わたしの遅さに絶対にイライラしているよ―。


 先輩方のイライラを背に感じ怯えながらも、わたしは必死に素材を取り続けるのであった。


 ☆


 夕方になるとお客様の流れも落ち着いてきた。


 わたしはやっとプレッシャーから解放され、グッと背伸びをした。


「佐藤さん、どうせ暇なんでしょ?ほら、さっさと届いた素材を引き出しにしまっといてよ。」

「はい、分かりました―。」


 背伸びってそんなに暇そうに見えるんだ―。

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